クマの出没や人的被害が全国で相次ぐ中、香川県坂出市王越町の五色台ビジターセンターで、四国に生息するツキノワグマの現状を紹介する企画展が開かれている。どんな場所にどれだけ生息しているのか。香川県にもいるのか。人間とのトラブルは―。会場では、多数の写真や解説パネルが展示され、実は絶滅の危機にひんし、保全が必要な希少生物であることを伝えている。


四国のツキノワグマについて紹介する企画展=香川県坂出市王越町、五色台ビジターセンター

四国のツキノワグマについて紹介する企画展=香川県坂出市王越町、五色台ビジターセンター


 環境省中国四国地方環境事務所によると、林野庁四国森林管理局やNPO法人四国自然史科学研究センター(高知県)と共同で実施している調査で、2025年度は徳島、高知両県で計27頭を確認。生息地域は両県にまたがる剣山とその周辺に限られ、香川県では確認されていないという。
 企画展「四国のツキノワグマの今」では、そうした生息状況や生態、人との関わり、調査活動などを解説パネルにまとめている。
 四国ではかつて広範囲で生息していたが、餌の豊富な森林の減少や、1920年代から80年代にかけて林業被害をもたらす害獣として駆除が進められたことで個体数が激減。近年は20頭前後で推移し、同省のレッドデータブックで「絶滅のおそれのある地域個体群」に分類、2040年ごろには最大約60%の確率で絶滅するとされている。
 四国のツキノワグマは人里を避け、山奥で生活していることも紹介。警戒心が強く、臆病なことから、人間の生活圏との適切な距離を維持するには、クマを引き付ける作物や食品ごみの放置をなくすことが重要だと呼びかけている。
 過去の調査で無人装置によって自動撮影されたクマの写真など約30点は、ササにつかまって立ち上がったり、大木のほらの中で一休みしたりしている様子、捕獲用のおりの前を横切る瞬間などを紹介。本州で捕獲されたツキノワグマの毛皮や頭骨の実物、生息状況をまとめた動画のほか、関連書籍なども展示している。


ツキノワグマの毛皮と頭骨(右奥)

ツキノワグマの毛皮と頭骨(右奥)


 企画展は11月1日まで。10月3日は午前10時、午後1時開始の2部制で、同省専門職員による無料講演会を開く。定員は各部20人程度。参加申し込みは9月19日~27日、同センターのホームページや電話で受け付ける。問い合わせは同センター〈0877-47-2479〉。

(四国新聞・2026/09/15掲載)



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