外国人観光客が集う店 味、おもてなしが人気
瀬戸内国際芸術祭や格安航空会社(LCC)の相次ぐ高松就航などの影響で、外国人観光客が急増している香川。最近では、有名観光地だけでなく、高松市中心部の庶民的な飲食店にも訪れている。今回は外国人観光客が足しげく通う人気の店を探った。
家庭料理と気さくな人柄
英語やフランス語などでつづられたお礼のメッセージがノートを埋め尽くす―。繁華街の雑居ビルにひっそりと軒を構える居酒屋「美人亭」(高松市瓦町)に、欧米からの観光客が相次いでいる。
海外で人気の旅行ガイド本「ロンリープラネット」に同店の紹介記事が掲載されたことがきっかけ。海外での和食ブームも追い風となり、同店では天ぷらや刺し身のほか、キュウリの酢の物といった家庭料理に舌鼓を打つ姿がよく見られるようになった。
「メニューがなく、やりとりは身ぶり手ぶりで行う。外国語がしゃべれる日本人のお客さんに助け船を出してもらったりもするんです」と笑顔で話すのはおかみの藤田鈴子さん(70)。お互いに意思が伝わった時には笑顔が生まれるとか。藤田さんの気さくな人柄も人気の理由の一つ。旅の記念におかみと一緒に写真を撮る外国人も多い。
美人亭
所在地 | 香川県高松市瓦町2-2-10 |
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営業時間 | 17:00~22:00 |
定休日 | 日曜日 |
TEL | 087-861-0275 |
うどんの魅力を2カ国語で説明
田町商店街にある「しんぺいうどん」。店主の米津真平さん(43)が英語と中国語を話せることから、外国人客の間で「安心して食べられる店」と評判になっている。
「香川のソウルフード・うどんのおいしさをより多くの外国人に知ってもらいたい」。米津さんはオーダーを取る際に、定番のかけうどんのほか、ぶっかけや釜揚げなど、バラエティーに富んだ讃岐うどんの食べ方を外国語で分かりやすく説明しているという。
さらに、同店近くの英会話教室で講師をしているジェレミー・ラニグさんと共同で、うどんの種類やトッピングの天ぷらなどをイラスト付きで紹介したポスターを製作。県内の300軒超のうどん店に配布した。
19日からは瀬戸内国際芸術祭2019の夏会期が始まり、米津さんは「一人でも多くの外国人にうどんの魅力を伝えられるよう精いっぱい頑張る」と意気込んでいる。
しんぺいうどん
所在地 | 香川県高松市田町13-6 |
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営業時間 | 11:00~15:00、17:30~21:00(麺がなくなり次第終了) |
定休日 | 月曜日 |
TEL | 087-834-6334 |
3日通いメニュー食べ比べ
「以前、イタリア人の年配夫婦が3日連続で来店した。最初はお好み焼きを注文し、翌日に焼きそば、3日目は焼きうどんを食べた。あんなことは初めて」と驚くのは、老舗お好み焼き店「ふみや」(高松市瓦町)の店主・杉原潔さん(71)。
会員制交流サイト(SNS)や口コミなどで同店を知ったアジア圏や欧米からの観光客が1日平均3~4組程度訪れるという。数年前に外国人観光客から「英語のメニューを作ってみては」と提案され、店内外に英語表記のメニューや案内を掲示した。
英語表記を始めてから注文がスムーズに。ソースの塗り方やコテの使い方もジェスチャーを交えて接客することで、外国人客にも好評という。杉原さんは「完璧な英語対応は難しいが、うどんだけでなく、香川のいろいろなグルメを楽しんでもらいたい」と話している。
(四国新聞・2019/07/21掲載)
ふみや
所在地 | 香川県高松市瓦町2-2-35 |
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営業時間 | 11:00~14:30(ラストオーダー14:00)、16:00~19:30(ラストオーダー19:00) |
定休日 | 火曜日 |
TEL | 087-831-5090 |