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能に親しむ夏 若者デビューの場に 松平公益会、8月4日 高松で「讃岐葵会」初開催
大阪能楽養成会の研修生らを招いた「第1回讃岐葵会」が8月4日、香川県高松市玉藻町のレクザムホール小ホールで開かれる。県民が本格的な舞台芸術に触れる機会を増やすと同時に、伝統芸能の次代を担う若者にデビューの場を提供しようと、松平公益会が100周年記念事業として初めて開く。
松平公益会を設立した松平家12代当主・頼寿は、自らも能をたしなみ、旧加賀藩の藩主・前田家から「染井能楽堂」を譲り受けるなど明治維新で衰退した能文化の復興に力を尽くした。能楽の後継者を育成する養成会は1954(昭和29)年、戦禍を逃れた染井能楽堂を教場として設立された縁がある。
松平公益会では頼寿の思いをくみ、厳しい伝統芸能の世界で生きていくことを決意した若者たちを、発表の場を用意することで応援しようと企画した。来年以降は京都能楽養成会と隔年の実施にする予定。
当日は観世流の能「巻絹」、狂言「酢薑(すはじかみ)」のほか、仕舞「国栖(くず)」「鶴亀」などの演目を、研修生9人が中心となって演じる。最後は大阪を代表する能楽師で重要無形文化財保持者(人間国宝)、大槻文蔵さんが特別出演し、香川ゆかりの演目「屋島」を舞囃子(まいばやし)で披露する。
午後1時開演。入場無料(先着800人)。希望者は直接会場へ。問い合わせは県民ホールサービスセンター〈087-823-5023〉。
(四国新聞・2025/07/30掲載)