香川県内の山間部を舞台にした現代美術展「かがわ・山なみ芸術祭2019」のまんのう町エリアが25日に開幕した。旧琴南中学校(まんのう町中通)を中心とした4会場には、豊かな森林が広がる同町ならではの木材を利用した多彩なアート作品が並び、訪れた家族連れらが芸術の秋に浸っている。会期は11月10日まで。


旧琴南中の校舎内に展示されたアート作品に見入る来場者=まんのう町中通


 まんのう町エリアでの開催は3回目。「里の緑とともに」をエリアテーマに設定し、旧琴南中▽中通地区▽国営讃岐まんのう公園(まんのう町吉野)▽道の駅ことなみ・エピアみかど(まんのう町川東)―の4会場で県内外の作家24人が約30点の現代アート作品を出展している。

 この日、旧琴南中でオープニングセレモニーがあり、出席した作家や地域住民ら約40人を前に、栗田町長は「県内有数の森林が豊かな町での芸術祭が多くの人の思い出に残るよう願っている」とあいさつ。同町の里山や川の流れなどを映像化した作品の上映を行い開幕を祝った。

 旧琴南中では「なんがでっきょんな―讃岐・まんのう木の造形展」と題したテーマ展を開催。校舎内には丸太の木彫彩色で等身大の現代女性を表現した作品や、3年前に卒業した最後の生徒6人から提供を受けた写真を木の葉に転写したもののほか、地元の子どもたちが作家の指導を受けて制作した力作などを展示している。子どもが木のおもちゃで遊べる「木育広場」も設置されている。

 来場者は「ストーリー性があっておもしろい」「木の温かみを感じる作品が多かった」などと話していた。問い合わせは080-6288-3819。

(四国新聞・2019/10/26掲載)


かがわ・山なみ芸術祭2019


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