小豆島近海で捕れるハモを「小豆島 島鱧(しまはも)」とブランド化して売り込んでいる土庄町伊喜末の四海漁協(穴山雅博組合長)は、島鱧を一層PRしようと、島内の宿泊施設の代表者や飲食店の料理長らを招いて試食・提案会を開いた。参加者は加工施設を見学したり、島鱧を使った料理を味わったりしながら島鱧の魅力を再認識した。


捕れた島鱧を畜養水槽で一時的に管理するシステムについて参加者に説明する漁協担当者(右端)=土庄町伊喜末、四海漁協


 試食・提案会は17日に開催。約30人の出席者に対し、四海漁協の担当者は2016年に商標登録した島鱧について「名乗れるのは重量が300グラム以上で2キロ未満のもの。網スレによる魚体の傷を防ぐため網を引くのは1時間程度と定めている」などと4項目の基準を説明。漁獲時、水揚げ時、出荷時と場面ごとに選別するなどして、高い品質を保っていることを強調した。

 漁獲してからストレスを軽減させるため一時的に泳がせておく畜養水槽なども案内。17年に整備した加工施設では、2台の機械を使ってハモを開いたり、骨切りをしたりする作業を実演。参加者は短時間での鮮やかな加工に目を見張り、「残った骨はどうする」「骨切りの間隔や厚さは変えられるのか」などの質問を投げ掛けていた。


島鱧を使った料理を試食する参加者


 試食会では、しゃぶしゃぶやつみれ、天ぷら、南蛮漬けなど6品が用意され、参加者は多彩な料理を食感などを確認しながら味わっていた。

 小豆島町のイタリア料理店のオーナーシェフ渋谷信人さん(43)は「島鱧は鮮度がよく、加工技術も安定していて商品として価値が高いと感じた。うちのメニューにも取り入れたい」と高評価。土庄町のホテルの総支配人、今里肇さん(59)は「調理法によってさまざまな料理が提供できることが分かった。ただ、ハモは瀬戸内の魚としてまだ認知度が低いので、観光客に島挙げてどうアピールしていくかが課題」と話した。

 四海漁協によると、島内で島鱧を提供している飲食店は6店舗程度にとどまるという。


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