映画のロケ地になるというのは妙なもので、その地に新たな魅力が加わることも多いようだ。高松市庵治町の皇子神社もそうだ。


映画「セカチュー」に登場したブランコのある皇子神社。境内からは庵治港や五剣山の景観も楽しめる=高松市庵治町


 御殿山の麓にたたずむこの神社は2004年公開の映画「世界の中心で、愛をさけぶ」で一躍有名になった。漁師の守り神の「権現さん」は新たに恋人たちの聖地になってしまった。

 鳥居をくぐって階段を上った先の小高い場所には映画に登場したブランコがある。周辺の金網には若い男女が恋愛成就を願って付けた南京錠がずらり。公開から15年余になるが今も訪れる人はいるのだろうか。

 境内からは庵治港が一望でき、その向こうには五剣山がそびえる。まさに絶景スポット。初代高松藩主・松平頼重公の別荘があったことから名付けられた御殿山の頂上には展望台も設けられている。そうそう、江戸期から受け継がれてきた夏の船渡御(とぎょ)「皇子神社船祭り」は全国的に珍しいことを言い添えておきたい。

(四国新聞・2020/01/19掲載)

皇子神社


所在地 香川県高松市庵治町王の下5916-2


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