受験シーズン真っただ中。志望校合格に向け勉強に励む受験生にとって、心のより所の一つになるのが最後の神頼み。今回は、県内の合格祈願スポットやグッズを調べた。

滝宮天満宮(綾川町滝宮)菅原道真を祭る“聖地”

 県内の合格祈願スポットの“聖地”といえば、学問の神様・菅原道真を祭る滝宮天満宮。同天満宮によると、毎年受験生の中高生をはじめ、国家試験や就職活動を控えた学生らが多く訪れて合格祈願の絵馬に願いを書き込んでいる。一番人気のグッズが、合格にちなんだ五角形の鉛筆付きお守りで、気持ちを引き締める鉢巻きと併せて買い求める人も多いという。


鴨部八幡宮(さぬき市鴨部)神牛の石像 回して祈る

 鴨部八幡宮は勝負の神様とされる「八幡神」と、勉学の神様の「天神」を祭っている。願いをかなえたい方向に回して祈る神牛の石像や、くぐると願いが成就するといわれる高さ約70センチほどの鳥居があり、県内外の受験生が訪れる。鹿谷明弘宮司(66)は「ここは隠れたパワースポット。お参りして本番に備えてほしい」と話す。


願いをかなえたい方向に回して祈る神牛の石像=さぬき市鴨部、鴨部八幡宮

願いをかなえたい方向に回して祈る神牛の石像=さぬき市鴨部、鴨部八幡宮


栗山記念館(高松市牟礼町)学問で大出世の偉人

 受験生にひそかな人気となっているのが栗山記念館。牟礼町出身で江戸時代に活躍した儒学者・柴野栗山(1736~1807年)は高松藩儒の後藤芝山に学んだ後に上京し、老中・松平定信の政治顧問に就いて寛政の改革に貢献するなど「寛政三博士」として名をはせた。学問で大出世した栗山にあやかろうと、受験生が、館内にある木造の尊像前に足を運んでいる。


受験生が拝みに訪れる柴野栗山の木造の尊像=高松市牟礼町、栗山記念館

受験生が拝みに訪れる柴野栗山の木造の尊像=高松市牟礼町、栗山記念館


ゆるぎ岩観音(丸亀市本島町)「落ちない岩」御利益

 知る人ぞ知るのがゆるぎ岩観音。約3メートルの岩の上に約2メートルの岩が乗っていて、今にも落ちそうで落ちない様子から、あらゆる試験に落ちない御利益があるといわれている。土台の岩には如意輪観音が彫られている。ほおに手をついた姿から「歯痛の神様」としても信仰されている。


上の岩が今にも落ちそうで落ちないゆるぎ岩観音=丸亀市本島町

上の岩が今にも落ちそうで落ちないゆるぎ岩観音=丸亀市本島町


乃木うどん 文武両道の乃木大将倣い

 香川ならではの合格祈願グルメも…。旧陸軍第11師団長だった乃木希典大将が、餅と鶏肉を入れた兵士食として推奨した通称「乃木うどん」。善通寺商工会議所青年部が、文武両道を実践した乃木大将にあやかり「合格祈願!陸軍乃木うどん」として復活させた。善通寺市内の一部のうどん店などで食べられる。提供している釜福うどん(善通寺市金蔵寺町)の山地正弘社長(51)は「おいしい上に腹持ちも良い。ぜひ一度食べに来て」と話している。


乃木うどん。釜福うどんでは、餅をワッフル状にした「モッフル」と鶏肉を乗せている=善通寺市金蔵寺町

乃木うどん。釜福うどんでは、餅をワッフル状にした「モッフル」と鶏肉を乗せている=善通寺市金蔵寺町


タコの置物 試験に“パス”する

 さらに気持ちを高めるため、グッズも手元に置いておきたい。滝宮天満宮横にある茶屋「合格梅花堂」(綾川町滝宮)はその名の通り、合格祈願グッズを多くそろえる。英訳すると「オクトパス」で、語呂合わせで「机に置くと試験にパスする」とされるタコの置物が人気だ。


タコの置物などが人気を集めている=綾川町滝宮、合格梅花堂

タコの置物などが人気を集めている=綾川町滝宮、合格梅花堂



(四国新聞・2020/01/26掲載)


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