分校の小さな机に椅子、昭和レトロな映画館―。映画のロケ用オープンセットを改装した「二十四の瞳映画村」(小豆島町田浦)には、思わず胸がキュンとする懐かしいフォトスポットがたくさんある。1954(昭和29)年に公開された木下恵介監督、高峰秀子さん主演の「二十四の瞳」の舞台となった岬の分教場と合わせて、あの頃の名画の世界に浸ってみよう。


グリーンのタイルにステンドグラスの窓がかわいいギャラリー松竹座映画館


 木下監督版の「二十四の瞳」のロケで使われた岬の分教場(苗羽尋常小田浦分校)は、坂手港から映画村に向かう道の途中にある。71(昭和46)年の廃校当時の姿で保存され、教室には子どもたちが描いた絵も並ぶ。小さな椅子や机を眺めていると、懐かしくて胸が締め付けられるようだ。


廃校当時のままの姿が保存された岬の分教場


 映画村には87(昭和62)年に田中裕子さんが主演を務めた「二十四の瞳」のロケセットが残る。こちらの木造校舎は目の前に海が見え、ロケーションも抜群。

 フォトジェニックな場所を探している人におすすめなのが「ギャラリー松竹座映画館」。昭和30年代の映画館を再現した館内は、グリーンのタイルにステンドグラスの窓が乙女心をくすぐる。また、切符売り場の呼び出しボタンを押すと、なんと女優の高畑淳子さんが「切符切りのおばさん」として映像で登場。笑顔で出迎えてくれ、クスッと笑わせてくれる。

 ここでは「二十四の瞳」が随時上映されているほか、村内を一望できる2階のブックカフェでくつろぐのもいい。小豆島や映画に関する本もずらりと並んでいる。

 昨年はフィギュアメーカーの海洋堂(大阪府)公認のギャラリーがオープン。瀬戸内国際芸術祭2019で公開された入江早耶さんの作品も継続展示されている。映画村といえば小豆島を代表する観光地の一つだが、近年足を運んでいない県民も多いのでは。進化を続ける定番観光地に改めて訪れてみては。


入江早耶さんによる瀬戸芸参加作品も継続展示している=いずれも小豆島町田浦


 入場料は大人790円(岬の分教場とのセット券880円)ほか。問い合わせは、電話0879-82-2455。

(四国新聞・2020/02/25掲載)

二十四の瞳映画村


所在地 香川県小豆郡小豆島町田浦甲931
営業時間 9:00~17:00
入場料 大人790円(岬の分教場とのセット券880円)
TEL 0879-82-2455


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