新型コロナウイルスの感染拡大を受け、来週から県内全公立学校が再び休校となるなど、県内でも不要不急の外出の自粛が求められている。美しい花々を実際に見て心を癒やしたいところだが、WEB上で楽しんでもらおうと競演の様子を紹介する。


色鮮やかなチューリップと桜の競演が見られる公渕森林公園=高松市東植田町


 桜からチューリップへフラワーリレー―。桜の名所で知られる高松市東植田町の公渕森林公園で、鮮やかな赤色や黄色のチューリップが見頃を迎えている。ソメイヨシノは淡いピンク色の花びらがやわらかな風に舞い、春を彩る花の“主役交代”を告げているようだ。

 公渕森林公園では、昨年末から園内の5カ所以上の場所にチューリップの球根約6500個を植栽。メインとなる桜並木通り沿いの花壇(約200平方メートル)には約5千個を植えており、赤や紫、黄、白など色とりどりの花が陽光を浴びて輝きを増している。今年はソメイヨシノの開花が予定より遅れたため、一部では桜とチューリップの競演も見られる。

 公渕森林公園を管理する「かがわ水と緑の財団」によると、チューリップはここ数日の陽気で一気に開花が進んだようで、見頃は今月末ごろまで続くという。そのほか、同園入り口付近ではボタンザクラが開花を迎える予定。

 桜並木通りを散策していた綾川町の佐藤竜也さん(29)と彩音さん(26)の夫妻は「桜とチューリップが同じ場所で見られるなんて。とてもきれい」と喜んでいた。


色とりどりに咲き誇るチューリップ=まんのう町吉野、国営讃岐まんのう公園


 まんのう町吉野の国営讃岐まんのう公園で、チューリップが見頃を迎えている。赤や白、オレンジなどさまざまな色の花がかわいらしく咲き、来園者はじっくり眺めたり写真に収めたりして楽しんでいる。

 国営讃岐まんのう公園では「花竜の道」と「竹風庵」の計約2300平方メートルのエリアで、チューリップを32品種、約4万5千本育てている。八重咲きの「クリームアップスター」や、黄とオレンジのコントラストが美しい「デイドリーム」など多彩な品種がある。また、今年予定されていた東京五輪・パラリンピックにちなみ、「ゴールド」「シルバー」などの名称の入った8品種も新たに栽培している。

 国営讃岐まんのう公園によると、今年のチューリップの見頃は例年より1週間ほど早く、20日ごろまで楽しめるという。家族と一緒に訪れた丸亀市中津町の鷹取隆子さん(74)は、「チューリップにこんなに種類があることに驚いた。とてもきれいで、心の栄養になった」と笑みを浮かべていた。

(四国新聞・2020/04/10掲載)


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