丸亀城内の丸亀市立資料館(香川県丸亀市一番丁)で企画展「未来へ伝えたい 丸亀の文化財」が開かれている。市内にある国や県、市指定の文化財の中から、丸亀城の天守の完成年を裏付ける板札、江戸時代の讃岐国や丸亀藩を描いた絵図、織田信長ら3人の天下人が塩飽衆に出した朱印状などの資料を展示。丸亀の豊かな歴史や文化を見る人に伝えている。会期は23日まで。


丸亀城天守が1660年に完成したことを裏付ける板札(左)。右は板札の文字が読めるよう赤外線で撮影した資料

丸亀城天守が1660年に完成したことを裏付ける板札(左)。右は板札の文字が読めるよう赤外線で撮影した資料


 今年は文化財保護法の制定70年の節目に当たり、丸亀市立資料館は市民に地元の文化財への関心を高めてもらおうと本展を企画した。収蔵品を中心に古文書や絵画、出土品など計50点の資料を紹介している。

 丸亀城にまつわる文化財では、天守の解体修理の際に壁から出てきた板札を展示。天守が1660年に完成したことを裏付ける資料で、とりわけ来館者の注目を集めている。「丸亀城木図」は、京極氏が1670年に幕府に提出した城全体の模型の写し。失われた12の櫓(やぐら)などの建造物が精巧に造られている。


丸亀の歴史や文化を物語る資料を紹介する企画展=香川県丸亀市一番丁、市立資料館

丸亀の歴史や文化を物語る資料を紹介する企画展=香川県丸亀市一番丁、市立資料館


 「讃岐国絵図」は、江戸時代前期の香川の姿を知ることができ、郷・村の名や池、川などを記している。また、「西讃古地図」は、丸亀藩の成立以後で藩領を示す最も古い絵図。訪れた人は足を止め、現在の地図を思い浮かべながら、じっくりと眺めていた。

 朱印状は、古くから「塩飽水軍」として名をはせた同市沖の塩飽諸島の船方らに対し、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が航行の保障や、塩飽1250石の領治を認めることなどを記した書状。塩飽衆と天下人3人とのつながりに、来館者は「すごいね」と驚きを口にしていた。

 このほか、市内の寺院に伝わる阿弥陀如来図、快天山古墳の出土品などを展示している。

 観覧料は200円(18歳以下と65歳以上は無料)。開館時間は午前9時半~午後4時半。問い合わせは丸亀市立資料館、電話0877-22-5366。

(四国新聞・2020/11/14掲載)

企画展「未来へ伝えたい 丸亀の文化財」


会場 丸亀市立資料館(香川県丸亀市一番丁)
開催日時 2020/10/17(土)~11/23(月・祝)
9:30~16:30
休館日 月曜日(11/23は開館)
観覧料 200円(18歳以下と65歳以上は無料)
TEL 0877-22-5366(丸亀市立資料館)


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