「時間」に想像巡らせ 現代作家にスポット 高松市美術館・12月13日まで
国内外で注目を集める現代美術作家にスポットを当てた特別展「高松コンテンポラリーアート・アニュアルvol.9」が、香川県高松市紺屋町の市美術館で開かれている。0回から始まり10回目となった今年は「時どきどき想像」をテーマに、目に見えない時間について想像を膨らませた作品が並んでいる。12月13日まで。
今展では、香川県内初公開となる作家5人の作品45点を紹介。高松市にアトリエを構える保井智貴=東京都在住=は、実在する女性をモデルに工芸技法を用いて彫刻を制作した。真っ白い空間に展示することで、人が積み重ねてきた時間が場の空気に与える影響を表現している。
新生児が光を感じ取ろうと初めて目を開いた瞬間を捉えた井上佐由紀=福岡県出身=の写真は、約10点で構成。「おそれ」をテーマに仕上げており、病床の祖父の瞳の写真も展示することで、必ず訪れる「死」をも想像させる。
このほか、貝殻や石に刻まれた「時間」を刺しゅうで表現した蝸牛(かぎゅう)あや=兵庫県出身=、バレリーナらの動きの一瞬一瞬を彫刻化してアニメーションのように見せる後藤映則=岐阜県出身=の作品にも注目。ポリエチレンシートを膨らませ、移ろう空気を視覚化した大西康明=大阪府出身=の作品も想像力をかき立てる。
観覧料は一般800円ほか。21日は仏生山町周辺で保井によるワークショップが開かれる(500円、要予約)。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。
(四国新聞・2020/11/19掲載)
高松コンテンポラリーアート・アニュアルvol.9
所在地 | 高松市美術館 香川県高松市紺屋町10-4 |
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会期 | 2020/10/31~2020/12/13 |
開館時間 | 9:30~17:00(金・土は9:30~19:00、入館は閉館の30分前まで) |
観覧料 | 一般800円、大学生500円、高校生以下無料ほか |
TEL | 087-823-1711 |