仁尾港(三豊市仁尾町)夕暮れに刻一刻変化する表情 赤い空、白いボート 海に浮かぶ二つの島
大蔦島と小蔦島の二つの島に波を遮られた天然の良港、仁尾港(三豊市仁尾町)。波が穏やかな夕方の港には辺りを散歩する人や釣り人たちが訪れ、思い思いの時間を過ごしている。初夏の夕暮れ時、刻一刻と表情を変える港でカメラを構えてみた。
おすすめの撮影スポットは、仁尾マリーナ周辺。マリーナはこの時季、午後5時30分で閉場するため日没時にマリーナ内にいることはできないが、港周辺から桟橋の様子を望むことができる。
たくさんのボートが停泊するマリーナの桟橋は、外国の船着き場のようで雰囲気がある。マリーナの内部は波も少なく、赤く染まった空や白いボートが鏡のように海に映る様子がとても美しい。
徐々に日が暮れてきたら、釣り人たちの多い防波堤周辺まで歩き、西側にある灯台をフレームに入れて撮影してみよう。海に向かって左手には大蔦島と小蔦島が並び、すぐそこに島影がある。右手には同市詫間町の鴨之越沖にある丸山島のこんもりとしたかわいらしい姿も見える。
今の季節はちょうど灯台の右手側に夕日が沈む。この日は昼頃まで薄曇りだったため、筋状に広がった長い雲の間から晴れ間がのぞき、それがかえって夕暮れの雰囲気を増していた。大きくて真っ赤な夕日が雲間から見え隠れし、日没までの時間、夢中でシャッターを切った。
夕日が沈んでからも、海と空は次々に表情を変える。夕日が沈んだ遠くの空はほんのり赤く、真上を見上げればまだ青い空が見える。波のない水面には空がそのまま映り、時間がたつにつれて色濃くなっていく。
空が暗くなると散歩をする人は少なくなり、辺りは釣り人たちだけになった。仁尾港周辺は、かつては瀬戸内海の海上交通の要衝で大規模な塩田も造成され、江戸時代には港町として大いににぎわったという。仁尾町の昔の姿に思いをはせながら、今の静かな海を眺めた。
(四国新聞・2019/06/11掲載)
仁尾マリーナ
所在地 | 香川県三豊市仁尾町仁尾己918-12 |
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営業時間 | 4月~9月 8:30~17:30(7月~8月の土・日・祝日は8:30~18:30)
10月~3月 8:30~17:00 |
定休日 | 毎週火曜日(当日が祝日の場合は営業し翌日が定休)
年末年始 |
TEL | 0875-82-3203 |