高松市の大西市長は13日、国分寺・鬼無両地区特産の松盆栽の振興を図る「高松盆栽の郷(さと)」基本構想の拠点施設について、同市国分寺町のJA国分寺盆栽センターに整備する考えを明らかにした。完成予定は来年度末。当初予算案に整備費など関連予算約1億6千万円を盛り込んでいる。

 市は17年6月に「高松盆栽の郷」基本構想案を示し、生産者や県農協など地元関係者らと協議を進め、このほど県農協が主体となり施設整備や運営を行っていくことで同意した。

 市や県農協によると、拠点施設はJA国分寺盆栽センター(敷地面積約5200平方メートル)に整備。既存の建物を取り壊して木造平屋を新たに建設する。整備着工は今年7月頃を見込んでおり、建設工事中もセンターは営業を続ける。

 延べ面積は約400平方メートルで、高松盆栽の歴史や両地区の農園を映像などで紹介するインフォメーションコーナーを設ける。展示コーナー、ワークショップやカルチャー教室などを行う体験・研修スペースも設置する。屋外では盆栽の展示・販売を行う。

 海外での盆栽人気の高まりを受け、施設内の案内や説明を多言語で表示する。拠点施設内の一角には盆栽を回転させながら360度方向で撮影できるブースを設け、撮った映像をインターネットで配信して高松盆栽の魅力を発信する。輸出可能な国の購入希望者には販売も行う予定。

 市は、国内外からの就農希望者らの技術習得に向けた指導マニュアルの作成や、国分寺地区内に宿泊・研修機能を備えた施設整備に対する支援も実施する。

 13日の3月定例議会本会議の質疑で事業概要を説明した大西市長は「他にはない地域資源を生かした集客や、体験・交流に向けた環境整備を進め、ブランドの確立による高松盆栽の振興に努めていく」とした。

(四国新聞・2019/03/14掲載)



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