香川県丸亀市浜町の市猪熊弦一郎現代美術館で企画展「今井俊介 スカートと風景」が開かれている。色彩鮮やかなストライプが印象的な絵画シリーズを手がける福井市出身の現代美術家・今井俊介さん(44)の作品約50点を展示。天井まで高さ7メートルの展示室の大きな空間を生かして華やかに飾り付けており、今井さんは「一枚の絵を描くつもりで空間づくりをした。空間も作品として感じて」と話している。11月6日まで。


大空間を生かして展示された作品と今井さん=丸亀市浜町、市猪熊弦一郎現代美術館


 今井さんは2014年の公募展をきっかけに注目を集め、近年は大型壁面作品の制作やファッションブランドとのコラボレーションなど活動の幅を広げる。美術館で大規模な個展を開くのは初めてで、初期から現在まで約10年間の活動で生み出した作品と、今展のために描いた新作13点を紹介している。
 今井さんは企画展初日の7月16日に同館ホールでトークショーを行い、大勢のファンらを前に、作家人生を振り返りながら展示作品の制作背景などを説明。パソコン上に描いたストライプの図柄を印刷した後、それをゆがめてカメラで撮影し、その一部をプロジェクターでキャンバスに写し出してから鉛筆で下書きするといった独特の制作の流れも披露し、「画家になりたいけれど、絵が上手に描けないジレンマから生まれた手法」と打ち明けた。
 色鮮やかなストライプをランダムに組み合わせた作風について、同館の竹崎瑞季学芸員は「具象と抽象、平面と立体、アートとデザインという境界を軽やかに行き来しながら表現の探究を続けており、猪熊の作品とも親和性を感じられる」と解説している。
 時間は午前10時~午後6時(一部、同7時まで)。月曜休館(祝日の場合は開館、翌火曜休館)。所定の入館料が必要。関連企画として24日と10月8日に同館ホールで今井さんも出演するトークショーを開催。瀬戸内国際芸術祭秋会期(9月29日開幕)に合わせ、同市大手町の市民交流活動センター「マルタス」と同市福島町のみなと公園でサテライト展示も行われる。
 問い合わせは丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、電話0877-24-7755。

(四国新聞・2022/9/15掲載)

今井俊介 スカートと風景


場所 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
香川県丸亀市浜町80-1
開館時間 10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日 月曜日(祝休日の場合は翌平日)
観覧料 一般950円(760円)、大学生650円(520円)
*( )内は前売り及び20名以上の団体料金


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