世界各地に広がる讃岐うどん店の発祥地として琴平をアピールしようと、香川県仲多度郡琴平町内のうどん店による会「讃岐うどん屋発祥の地 こんぴら會(かい)」が発足した。新型コロナウイルスの「5類」移行を見据え、全国に発祥地をPRして観光客誘致を図る。


「こんぴら會」発足式に出席したうどん店主や片岡町長(前列右から2人目)ら=琴平町内

「こんぴら會」発足式に出席したうどん店主や片岡町長(前列右から2人目)ら=琴平町内


 「讃岐うどん店発祥の地」の根拠となったのは、約300年前の金刀比羅宮周辺を描いた屏風(びょうぶ)絵「象頭山社頭並大祭(ぞうずさんしゃとうならびにたいさい)行列図屏風」(同宮所有)。1703年ごろの作で、秋の例大祭時の境内や門前町の様子が描かれている。その中にうどん店は3軒あり、うどんを打つ場面と麺棒で延ばす場面、麺を切る場面が登場。店先には、絵馬のような形の看板「招牌(しょうはい)」がつるされている。会によると、讃岐うどん店が記録された史料では最も古い。
 会の発足は4年ほど前から検討されていたが、新型コロナの影響で観光客が激減、うどん店も大きな打撃を受けて先送りになっていた。昨年来、行動制限が緩和されるなどし、明るい兆しが見えてきたことから、PR活動に本腰を入れることになった。
 会には町観光協会の11店が加盟。店頭に招牌を再現した看板やのぼりを掲げてアピールするほか、4月以降にはうどん店が一堂に集まるイベントを計画。また、招牌をかたどったストラップの販売や、京阪神などでのPR活動にも力を入れる。加盟店は今後増やしていく予定。
 9日に町内のうどん店で開いた発足式には、吉田尚人会長や片岡町長、うどん店主ら約10人が出席。吉田会長は「うどんの発祥地としては綾川など諸説あるが、讃岐うどんの店の発祥地は琴平。全国から足を運んでもらい、本場の味を楽しんでほしい」と期待を込めた。

(四国新聞・2023/02/12掲載)


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