香川県仲多度郡まんのう町中通の「ことなみ未来館」(旧琴南中学校)などで11日、現代アートイベント「アートエコーまんのう+山の小さな展覧会2022・呼応」が始まった。香川県内外39組の作家が町内9会場に作品を展示。感性が光るユニークなオブジェなどが、来場者を楽しませている。26日まで。


仕掛けが施された人形作品に見入る来場者=香川県まんのう町中通、ことなみ未来館

仕掛けが施された人形作品に見入る来場者=香川県まんのう町中通、ことなみ未来館


 琴南地区の住民や町、出展作家らによる実行委(谷川博史代表)が企画。町内で開かれていた3年に1度の「かがわ・山なみ芸術祭」と、毎年の「山の小さな展覧会」という二つのアートイベントを統合し、初めて実施した。
 ことなみ未来館には14組が出展し、このうち田口輝彦さん(埼玉県)は人形約10体を展示。木製の胴体に古い三輪車やアイロン、トースターなどの部品を巧妙に取り入れ、メカニカルな雰囲気を醸し出している。オルゴールが鳴るなどの仕掛けも施されている。
 「メタファー」と題した古山コスミさん(広島県)の作品は、教室全体に文字や人を展示したインスタレーション。来場者は床に敷かれた鏡をのぞき込んで「落ちそう」などと声を上げていた。


小川を表現した作品を楽しむ親子=香川県まんのう町造田、山のウーフ

小川を表現した作品を楽しむ親子=香川県まんのう町造田、山のウーフ


 また、切り開かれた里山の中の会場「山のウーフ」(同町造田)では、絵本作家でもある田島征三さん(静岡県)らが出展。作品「カレ山水の小川」では、琴南小の児童たちが描いた水辺の生き物を陶板に焼き付け、小川のあちこちにのぞかせている。
 このほか国営讃岐まんのう公園や約40年前に閉鎖した工場跡、神社、カフェなど、バラエティーに富んだ場所が会場となっている。
 谷川代表は「作家の多様な表現が自然豊かな地で響き合い、広く人々に伝わって地域活性化につながれば」と話している。

(四国新聞・2023/03/12掲載)


アートエコーまんのう+山の小さな展覧会2022・呼応



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