弘法大師空海の生誕地とされる香川県善通寺市の総本山善通寺(菅智潤法主)で23日、「弘法大師空海御誕生1250年祭」が開幕した。初日は同寺の僧侶による記念大法会があり、大勢の参拝客が見守る中、50年に一度の節目を盛大に祝った。6月15日までの期間中、法会や記念イベントなど多彩な行事で、全国の人々を迎え入れる。


弘法大師空海御誕生1250年祭で、多くの僧侶が菅法主を囲み行われた大法会=善通寺市善通寺町、総本山善通寺


 記念大法会は、金色に輝く法衣姿の僧侶15人が屋外で読経する儀式「庭讃(にわのさん)」で幕開け。御影堂内では、導師を務める菅法主が、空海の生涯を紹介し偉業をたたえた後、僧侶全員で般若心経などを唱えた。
 また上方舞の吉村ゆきそのさんらが、幼少時の空海と母親の玉寄(たまより)御前にふんした奉納舞を披露。来賓らが空海の誕生仏に甘茶をかける「灌沐(かんもく)」も行われ、祝賀ムードを高めた。
 菅法主は「弘法大師は、周りの人々を幸せにする利他の心を説いた。(1250年祭が)世界平和や環境破壊などをあらためて考える機会になれば」と語った。法会は期間中、真言宗寺院の僧侶や信徒らが日替わりで実施する。
 境内では、空海が自らの姿を描いたとされる「瞬目(めひき)大師像」の特別開帳もスタート。秘仏を17年ぶりに直接見られるとあって、参拝者らが続々と訪れ手を合わせた。拝観料は「チベット密教展」などとのセットで2千円(高校生以下無料)。
 29日から6月11日までの土・日曜日などには、国指定重要文化財の五重塔内部を特別公開(拝観料一般300円など)。このほか同寺や市による1250年祭実行委もイベントを企画しており、29日には同寺南大門前にぎわい広場でパン・ベーグルマルシェ、市役所偕行社広場で現代サーカスなどの空海夜市が開かれる。

(四国新聞・2023/04/24掲載)


総本山善通寺



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