辺境などをテーマに撮影する香川県高松市の写真家宮脇慎太郎の個展「PHOTO×BOOK」が、同市牟礼町の市石の民俗資料館で開かれている。これまで撮影してきた国内外の写真約200点と一緒に、その時々に宮脇が愛読していた書籍約1500冊を紹介。まるで古書店のような雰囲気の会場からは、宮脇の撮影時の思考や本から受けた影響がうかがえる。28日まで。


写真と愛読書について解説する宮脇=香川県高松市牟礼町、市石の民俗資料館

写真と愛読書について解説する宮脇=香川県高松市牟礼町、市石の民俗資料館


 宮脇は学生時代から書籍に着想を得ながら国内外で撮影を行い、2008年からは同市を拠点に活動。瀬戸内国際芸術祭の公式カメラマンとして知られ、写真集の出版や個展を開催するなど精力的に作品を発表している。20年には県文化芸術新人賞に輝いた。
 会場には欧米とアジアの風景や青森県の恐山といった国内の「聖地」、近年手がけている瀬戸内の写真を撮影の時系列で展示。書籍は漫画や小説、宗教、瀬戸内の民俗など多種多様なジャンルが並び、写真とリンクさせるように配置している。いずれも自由に閲覧でき、宮脇の関心が海外から地元へと移り変わり、それに伴って撮影テーマも変遷してきたことが見て取れる。
 宮脇は「本との出合いによって世界が広がった。写真好きだけでなく、本好きの人も楽しんでほしい」と呼びかけている。
 入場料は一般200円ほか。7、14、21、28日は高松市の出版関係者を日替わりでゲストに招き、宮脇とのトークイベントを開く(各日定員20人程度)。問い合わせは同館、電話087-845-8484。

(四国新聞・2023/05/04掲載)


石の民俗資料館



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