儒学者・城山の生きざまに迫る 来月2日まで 高松 藩政との関わり示す史料60点
香川県高松市香南町に生まれた儒学者、中山城山(1763~1837年)と当時の高松藩政に焦点を当てた企画展「高松と寛政異学の禁 中山城山が生きた時代」が、市歴史資料館(同市昭和町)で開かれている。朱子学以外の学問を排斥した江戸幕府の「寛政異学の禁」に翻弄(ほんろう)されながらも、自らの道を貫いた城山の生きざまを浮かび上がらせている。7月2日まで。
城山は同市三谷町の儒学者・藤川東園の塾で学んだ後に高松で開塾し、藤沢東畡(とうがい)ら600人以上の門下生を指導。歴代藩主の事績や寺社の由来などをまとめた「全讃史」を書き上げ、高松藩から高い評価を得た。
企画展は城山の生誕260周年を記念し、その功績だけでなく藩政との関わりなどを知ってもらうのが狙い。城山の年齢とリンクさせて自筆書や軸作品、国内の出来事の史料など約60点を展示した。
このうち、40代前後に記した高松藩への意見書「御龍子(ぎょりょうし)」は、異学の禁によって仕官の道が閉ざされた中で学問や政治のあり方を説いた著作。藩からは採用されなかったものの、君主の補佐を望む自身の志も示している。全讃史は全12冊を展示しており、序文からは「郷土の記録を作ることが藩政の助けになる」との考えがうかがえる。
入場料は一般200円ほか。問い合わせは同館、電話087-861-4520。
(四国新聞・2023/06/22掲載)