空海祝う幻想の音色 総本山善通寺 世界的シンセサイザー奏者 喜多郎さんらコンサート
弘法大師空海の誕生1250年を記念した奉祝コンサート「空海」が4日夜、香川県善通寺市の総本山善通寺で開かれた。空海を敬愛する世界的シンセサイザー奏者・喜多郎さんと高松市出身のサウンドアーティスト・岡野弘幹さんらが出演。ライトアップされた金堂をバックに、幻想的でロマンチックな音色を響かせた。
境内の特設ステージには、入場無料とあって来場者がぎっしり。喜多郎さんがシンセサイザー、岡野さんがフルートなどで、「シルクロード」や「キャラバンサライ」といった曲を奏で、訪れた人たちを荘厳な音の世界に引き込んだ。
2人が即興演奏を繰り広げるパートもあったほか、世界各地で展覧会を開いている書画家・小林芙蓉(ふよう)さんが、音楽に合わせた特別揮ごうも行った。
昼には遍照閣で、上方講談協会長の旭堂南左衛門さんが、空海をテーマにした講談を披露。「弘法大師入唐求法(にっとうぐほう)」では、唐に渡った空海と師に当たる僧・恵果との交わりを、ユーモアを交えながら語った。
またこの日から、五重塔の特別公開がスタート。国指定重要文化財に入れる貴重な機会とあって、家族連れらが続々と訪れ、普段見られない内部構造や塔からの眺めを満喫した。公開は26日までの土・日曜日と祝日で、拝観料一般300円。
(四国新聞・2023/11/05掲載)