小豆島の日常、金属で表現 地元の鋳造作家が作品展 二十四の瞳映画村
香川県小豆郡小豆島町田浦の二十四の瞳映画村のギャラリー「KUROgO」で、同町池田の鋳造作家・柴田早穂さん(37)の作品展が開かれている。小豆島の風景や日常生活の一場面を真ちゅうを使って立体作品などに仕上げており、独特の質感や色合いが温かなムードを醸している。8日まで。
作品展のタイトルは「紡ぐ記憶」。島内を散策するたびに感じる山の木々の美しさ、友達や家族と過ごした何気ないひとときを、形にして残そうと企画した。
2021年春ごろから約2年間、真ちゅうを溶かして流し込む鋳型に使う砂を探して島内を回り、土庄町小江地区で約4000万年前とみられる砂岩の層から取り出したきめ細かな砂を用いることに決めた。
寒霞渓で見つけた生命力あふれるヒノキの葉、猫とくつろぐ友人の姿などをモチーフに、溶かし込む銅と亜鉛の割合を調整、砂の粒の跡を適度に残すことで、優しい輝きの黄色みが印象的な作品に仕上げている。
柴田さんは「小豆島の素材とテーマに向き合って取り組んだ作品ばかり。地元を感じてもらえれば」と話している。
観覧は無料だが、映画村への入村料(中学生以上890円ほか)が必要。
(四国新聞・2024/01/01掲載)