香川県三豊市詫間町の志々島にある「天空の花畑」と呼ばれ、島に住む高齢女性と息子夫婦が手入れを続けている花畑で、シバザクラやネモフィラ、キンセンカなどが咲き、県内外から訪れる観光客でにぎわっている。メインのシバザクラは最盛期を過ぎたが、6月まで季節の花を次々と楽しめる。


シバザクラなどがじゅうたんを広げたように咲く「天空の花畑」=三豊市詫間町、志々島


 花畑を管理しているのは、高島孝子さん(89)と、長男で多度津町在住の直宏さん(62)、千鶴さん(59)夫妻。「花の島」として知られた志々島で花卉(かき)農家を営んでいた孝子さんが、10年ほど前から瀬戸内海を見渡せる丘陵地で花の栽培を始め、種類や数を増やしてきた。
 シバザクラはイノシシに掘り返されて昨年には花の数が減っていたが、対策を講じて「今年は(イノシシが)来なかった。良かったんじゃ」と孝子さん。ピンクや薄紫、白のじゅうたんのような光景が戻り、「遠い所からも見に来てくれてうれしいし、ありがたい」と顔をほころばせる。
 花畑では、孝子さんのお気に入りのネモフィラが咲き誇り、一帯がスカイブルーに染まっている。キンセンカ、クリスマスローズも盛りを迎えた。今年は生育が遅いというマーガレットや除虫菊は咲き始め。6月にはアジサイが見頃となる。
 観音寺市室本町の宮武さとみさん(65)は「昨年初めて来て景色にびっくり。ここで食べるお弁当はおいしい」と笑みを浮かべた。
 「天空の花畑」は志々島港から「孝子さんの花畑」の案内表示に沿って徒歩約10分。見学自由。花畑の保全のために募金への協力を呼びかけ、応じてくれた人に来島記念のオリジナルのチャームを配っている。


志々島港で乗船待ちの長い列をつくる観光客ら


 志々島には三豊市詫間町の宮の下港と須田港から定期船が出ている。近年、全国放送のテレビ番組で紹介されたことから乗船待ちの長い列ができており、運航会社は5月6日までの土日祝日に2隻で運べる態勢を取っている。

(四国新聞・2024/04/22掲載)



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