三豊市が全国1位の生産量を誇るマーガレット。香川県三豊市詫間町の観光農園「フラワーパーク浦島」では広大な敷地で栽培しており、これからが見頃。瀬戸内海に浮かぶ島々を背景に堂々と咲き誇った一面の花畑は、自然が生み出す「絵画」のようだ。この絶景を求め車を西に走らせた。


咲き始めのマーガレット。満開になると花の白色と海のコントラストが楽しめる=香川県三豊市詫間町、フラワーパーク浦島

咲き始めのマーガレット。満開になると花の白色と海のコントラストが楽しめる=香川県三豊市詫間町、フラワーパーク浦島


 同市は冬が温暖で霜が降りにくく、水はけが良いためマーガレットの栽培に適しているという。市によると、2023年度は約100万本を出荷。全国各地に流通し、花びらが「落ちない」ことから受験生への贈り物としても引き合いがある。
 同農園は「花と浦島イベント実行委員会」が約1ヘクタールの休耕田を活用して運営。地元住民でつくる「美咲クラブ」が委託を受け、花の管理を行っている。4月下旬から5月中旬にかけては一面が花で真っ白になり、多い日には1日約3千人が訪れるそうだ。
 取材で訪れた4月中旬はまだ咲き始めのころ。わずかに花びらを残す桜とマーガレットの「ツーショット」を写真に納めることができた。蜜を吸う蜂の姿に陽春の訪れを感じ、自生している赤いポピーとのコントラストにも目を奪われた。


陽光で白が映えるマーガレット。虫が蜜を吸っていた

陽光で白が映えるマーガレット。虫が蜜を吸っていた


 同実行委会長でマーガレットの出荷も行っている秋山宰毅さんによると、「今年は降雨の頻度に偏りがあったため根腐れを起こすものもあった」という。
 苗植えは同クラブのメンバーのほか、地元の小学生が授業の一環で実施している。この時期、児童が和紙をすき、自分たちが植えた苗の花びらを飾り付ける花和紙作りをしている。
 また、雨が少ない時期には同クラブのメンバーが、近くの池の水をタンクで運び、水やりをしているという。地元の人たちの熱意と行動によって、全国に誇る景観が守られている。
 秋山さんは「天候が良ければ瀬戸大橋も見える。ぜいたくな景色を見て和んでもらえれば」と多くの人の来場を心待ちにしている。
 5月15日までは、混雑緩和のためオンラインで事前予約した車両に限り、有料で駐車場が利用できる。片手1束分の花を摘んで持ち帰れる。問い合わせは同実行委、電話0875-83-3639。

(四国新聞・2024/04/27掲載)


フラワーパーク浦島



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