凹凸のある特殊な織り方で、心地よい肌触りと吸水・通気性に富む保多織。耐久性にも優れ、「多年を保つ」意味で命名されたという。岩部保多織本舗は現在、香川県内唯一の製造元。香川県指定の伝統工芸士で4代目の岩部卓雄社長(73)は、伝統の技を大切に、真摯(しんし)にもの作りに向き合う。


肌触りの良い保多織の洋服や小物

肌触りの良い保多織の洋服や小物


 起源は高松藩主・松平頼重公の命を受けた京都出身の織物師・北川伊兵衛常吉が作った絹織物。北川家と姻戚関係にあった初代が明治維新後に創業し、素材の中心を綿に切り替えたことで広く浸透した。


伝統の技を守る4代目の岩部卓雄さん=高松市磨屋町

伝統の技を守る4代目の岩部卓雄さん=高松市磨屋町


 細糸で織ったさらりと肌になじむ浴衣地やシーツに加え、数十年前からは太い糸で暖かく風合いのあるジャケットなども制作。洋服も次々に手がけ、時代の変化に合わせた多様な提案を続ける。「『良いものは残る』を信じて頑張る」と岩部社長。商品は磨屋町の店舗のほか、栗林公園内の「栗林庵」などで扱う。

(四国新聞・2024/04/28掲載)

岩部保多織本舗


所在地 香川県高松市磨屋町8-3
営業時間 午前9時半~午後6時
定休日 日曜、祝日
TEL 087-821-7743

岩部保多織本舗



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