「サザエさん」で知られる日本初の女性漫画家・長谷川町子(1920~92年)と、香川県高松市出身の文豪・菊池寛(1888~1948年)の関わりを紹介する菊池寛記念館第33回文学展「サザエさんと菊池寛のうちあけ話」が、香川県高松市昭和町のサンクリスタル高松4階で開かれている。長谷川の直筆原稿や原画など243点を展示。菊池が登場する作品では、ユーモアあふれる風貌が来場者の注目を集めている。10月14日まで。


菊池と長谷川の関わりを紹介する文学展=香川県高松市昭和町、サンクリスタル高松

菊池と長谷川の関わりを紹介する文学展=香川県高松市昭和町、サンクリスタル高松


 今展は自伝的エッセー漫画「サザエさんうちあけ話」(78年)の直筆原稿や原画を中心にパネルや書籍などを紹介。菊池と直接交流があったかは明らかになっていないが、うちあけ話の第4話では姉・毬子が菊池の作品で挿絵画家デビューしたこと、第6話では妹・洋子が無試験で菊池が創立した文藝春秋社に入社した話が絵入り文章でつづられており、深い関わりがあったことがうかがえる。
 また、漫画「サザエさん」に菊池が登場する原稿パネルも展示。ふっくらとした体つきでたばこをふかす姿がチャーミングに描かれている。このほか、旅行が好きだった長谷川が屋島や琴平を巡った「サザエさん旅歩き」も紹介している。
 担当の槲田(くにぎだ)瑶子学芸員は「これだけの原画が香川にそろうことはなかなかない。長谷川の世界観と細やかな仕事ぶりを堪能してほしい」と話している。
 入場料は一般500円ほか。28日は午後1時30分から長谷川町子美術館の川口淳二館長と橋本野乃子副館長によるスペシャルトーク。先着200人(予約不要、入場無料)。10月14日午前11時から展示解説。問い合わせは菊池寛記念館、電話087-861-4502。

(四国新聞・2024/09/19掲載)


菊池寛記念館第33回文学展「サザエさんと菊池寛のうちあけ話」



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