ずらりと並んだ器や箸、キーホルダー―。香川県高松市の「クラフト・アリオカ」は、樹齢300年以上の油分をたっぷりと蓄えた「肥松(こえまつ)」やモミ、クリなどの木の素材を生かした木工品を生み出している。


それぞれの木の特徴を生かして作られた木工作品

それぞれの木の特徴を生かして作られた木工作品


 ろくろで香川漆器の木地を手がけていた故・有岡良益(りょうえき)さんが時代の変化の中、家庭用の木工品を作ろうと創業。当時の金子正則県知事や重要無形文化財保持者(人間国宝)の磯井如真氏の助言で肥松に着目した。


高松市勅使町の工房と有岡良員さん

高松市勅使町の工房と有岡良員さん


 乾燥に数十年をかけ、丹精込めて作り上げた逸品の数々は人気を博し、時代の先駆者として地位を築いた。ただ、樹齢の長い肥松は入手が難しく「最終段階」と息子で県伝統工芸士の良員(りょういん)さん(68)。42年前に後を継いでからは、水に強く食器に最適なクリとの二本柱で社を守る。「今後は今までの経験値をどう広げるか。素材の力を十二分に発揮する物作りを続けたい」

(四国新聞・2024/10/13掲載)

クラフト・アリオカ


所在地 香川県高松市勅使町1007-1
営業時間 午前9時~午後4時30分(要予約)
定休日 なし
TEL 087-866-8248


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