香川大の学生たちが、土庄町の活性化の一助にと、大坂城の石垣に使われた同町特産の花こう岩をイメージしたチョコレートの土産物を、地元事業者や町の地域おこし協力隊員の協力を得て開発した。地元産品を使い、軽くてかさばらないよう配慮した。現在はイベントなどに合わせて試供品を配布中で、試食した人の意見を参考に価格などを決定し、今秋の発売を予定している。


大坂城の石垣に使われた土庄産の花こう岩をイメージして香川大の学生たちが考案したお土産用のチョコレートの試供品

大坂城の石垣に使われた土庄産の花こう岩をイメージして香川大の学生たちが考案したお土産用のチョコレートの試供品


 自治体と連携して地域課題の解決に取り組む同大の授業「瀬戸内地域活性化プロジェクト」の一環。2023年9月から道の駅「大坂城残石記念公園」(同町小海)で、同公園独自のお土産づくりをスタートした。
 地域おこし協力隊員らのアドバイスを参考に、花こう岩を使ったアクセサリーや文具など、さまざまな案を出し合った。「持ち帰りが容易」「幅広い世代が関心を持つ」「手頃な価格」を重視して絞り込み、地元産品の物語をデザインなどに取り入れたチョコレートにすることを決めた。
 学生たちは、地元事業者が製造していた黒ごまを使ったチョコレートを選んで花こう岩に見立てた。パッケージは、江戸時代の方法で石を切り出したり、船で運び出したりする様子を提案し、地元のデザイナーが、かわいらしいネコが切り出しや運び出しをしているイラストにまとめた。


花こう岩をモチーフにしたお土産について考える香川大の学生たち=2023年9月、土庄町小海の道の駅「大坂城残石記念公園」

花こう岩をモチーフにしたお土産について考える香川大の学生たち=2023年9月、土庄町小海の道の駅「大坂城残石記念公園」


 「小豆島うまれ 石垣チョコ」と名付け、県の補助金などを活用して今年1月に3千箱が完成。同19日に同町で開催された「瀬戸内海タートル・フルマラソン全国大会」の参加者らに試供品として配った。今後も町内のイベントで配布していく。
 開発に携わった学生たちは「大坂城の石垣として使われた石の文化が分かりやすくまとめてある。チョコレートはプロが作り出している折り紙付きの味わい。多くの人に食べてもらいたい」と話している。

(四国新聞・2025/01/27掲載)


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