四国水族館の魅力発信 香川大生 30種の生態、ネットで 学生3人、来館者増へ制作
四国水族館(香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁)の魅力を発信しようと、香川大の学生が水生生物約30種類の生態をインターネット上で紹介するデジタルアーカイブを制作した。飼育員に取材した情報も加え、興味を引かれる内容に仕上がっている。12日から試験運用が始まっており、スマートフォンやパソコンなどで閲覧できる。
制作したのは本年度、地域の課題解決に貢献できる人材育成を目指す授業「香川で学ぶ地域・地場産業体験」を選択した学生15人のうちの3人。同館スタッフとのミーティングを行ったほか、昨年9月には2日間にわたって同館へ足を運び、来館者52組へのインタビューを実施。来館前にホームページで情報を入手していることや、同館が掲げる「四国水景」というテーマが十分には浸透していないことなどが分かった。
そこで、自分たちの目線で感じた同館の魅力を取りまとめてコンテンツとして提供しようと、東京の印刷会社が開発したシステムを使い、デジタルアーカイブ「四国水族館まる見えキューブ」の制作に取りかかった。画面の中には、指で回転させられる3Dの展示ボックスを収納。それぞれの面には瀬戸内ゾーン、太平洋ゾーンなどと四つの水景に分けて同館の水生生物の写真が並び、タップすることで解説文が表示される。
解説は生態などだけでなく、学生が取材してスタッフから得た情報も併記した。「かわいい動きに癒やされる」や「高級食材」といった学生が考案した関連キーワードもあり、タップすれば同様の特徴を持つ生物につながる。
10日は同館で学生らによる発表会があった。農学部1年の横田裕さん(22)は「写真の配置など苦労は多かったが、専門的なことが分からない人でも楽しめるアーカイブになった」、医学部1年の村岡志織さん(19)は「帰宅した後も思い出を振り返るツールとして活用して」と話した。
試験運用は6月末まで。同館公式LINE(ライン)からか、専用サイトからアクセスできる。
(四国新聞・2025/03/16掲載)