土庄港(土庄町)から車で約10分。海を眺めながら峠を登ると、樹齢千年を数えるオリーブの大樹と出合える。大きな木ははるばるスペイン・アンダルシア地方から運ばれたもので、今でもなお枝や幹を伸ばし、たくさんの実を付けている。オリーブは平和のシンボルともいわれている。生命力あふれる大樹に抱かれ、癒やしの時間を過ごしてみては。


堂々と立つ樹齢千年のオリーブ。スペインからはるばるやってきた


 大樹は、オリーブを使った化粧品などを製造販売する小豆島ヘルシーランド(同町)が、園芸家の西畠清順さんの協力を得て、2011年3月にスペインから運搬。同社が所有するオリーブ園のうち、海を見渡せる現在の場所に移植された。

 スペインからやってきた当初は枝を刈り込み小さな姿になっていたが、木に近づいてよく見てみると、新しい幹や枝が伸び、木が今でも成長を続けていることが分かる。

 夏になると、大樹は実りの季節を迎える。案内してくれた同社の柳生敏宏社長によると、ここに移植された当初は100粒足らずしか収穫できなかったが、収穫量は年々増加し、昨年は約70キロ、2~3万粒もの実が採れたという。この実から採ったオイルは、さっぱりとしていて雑味のない味なのだとか。ビタミンが豊富という特徴もあるという。


古い木だがたわわに実を付けている=いずれも土庄町


 大樹の目の前にはエンジェルロードが広がる。訪れたときはちょうど干潮の時間帯で、細い砂の道がくっきりと見えた。木の根元に座って海を眺めると、木陰は涼しくて快適だ。大樹に抱かれるような気持ちでしばし休憩した。


オリーブの木の向こうに見えるのはエンジェルロード


 また、大樹の近くにはスマートフォンなどを置いて「自撮り」ができる台もある。県外や海外からも見学者は多く訪れるといい、「オリーブの島」の新しいシンボルになっている。

 見学は自由で、午前9時から午後5時まで。年中無休。正確な場所などの問い合わせは同社が運営するオリーヴの森の駅〈0879(62)8989〉。

(四国新聞・2019/09/10掲載)

樹齢1000年のオリーブ


所在地 香川県小豆郡土庄町甲2473


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