瀬戸内海に生息しながら食用として流通することが少ない「未利用魚」のアカエイやアイゴ、クロダイ(チヌ)の利用促進を図ろうと、香川県は16日、県庁本館2階の食堂で日替わりメニューの提供を始めた。22日までの期間限定で、唐揚げやムニエルなどこだわりの一皿を各100食前後用意する。


香川の隠れた地魚を使った限定メニューを提供する食堂スタッフ。写真は「クロダイ唐揚げ 野菜あんかけ」=香川県庁

香川の隠れた地魚を使った限定メニューを提供する食堂スタッフ。写真は「クロダイ唐揚げ 野菜あんかけ」=香川県庁


 県は、温暖化による海水温の上昇などで水産物の漁獲量が減少する中、水揚げされても市場価値がほとんどない未利用魚の活用に着目。味は良いものの、認知度の低さから市場での取引が限定的なこれらの魚を「隠れた地魚」と位置付け、2023年度からクロダイをモデルケースに、すり身を団子にして学校給食で提供するなどの取り組みを進めてきた。本年度はアカエイ、アイゴについても消費拡大に向けた成分分析を行っている。
 今回は3種の魚について、県庁食堂がメニューを考案した。初日は「クロダイ唐揚げ 野菜あんかけ」(360円)を提供。昼時になると、訪れた県職員らから次々に注文が入り、開店から1時間45分ほどで用意した134食が完売した。
 職員らは「身が軟らかくて食べやすい」「白身なのであっさりしていて、あんかけによく合う」などとおいしそうに味わっていた。県は併せて、料理の感想や魚のイメージなどを問うアンケートを実施し、今後の施策につなげる。
 県水産課は「隠れた地魚のおいしいレシピはいろいろあるので、この機会に食堂で実際に口にし、ぜひ自宅でも積極的に食べてもらえたら」としている。
 17日以降のメニューは次の通り。
 17日 アイゴのムニエル▽18日 アカエイのトマトソースかけ▽19日 クロダイの南蛮▽22日 アイゴのバジルオイル焼き

(四国新聞・2025/09/17掲載)



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