JR四国(香川県高松市)は23日、来年6月導入予定のハイブリッド式ローカル車両を報道陣に公開した。老朽化したローカル気動車(ディーゼル車両)の置き換えとして製造。同市西町の高松運転所で取材に応じた四之宮和幸社長は「四国にはローカル列車で行ける非常に魅力的な観光地がある。地域住民だけでなく、観光客にもたくさん乗ってほしい」と期待を寄せた。


報道陣に公開された新型ハイブリッド車両=香川県高松市西町

報道陣に公開された新型ハイブリッド車両=香川県高松市西町


 新車両はディーゼルエンジンで発電した電力とブレーキ時などに蓄電池にためた電力を組み合わせ、モーターを回して走行する。駅停車時にはアイドリングストップして燃費の向上を図り、1両当たりの燃費、二酸化炭素排出量は現行車両からいずれも20%程度の削減が期待できるという。
 外観はステンレス製で四国の海や空をイメージしたライトブルーを車体下部に配色。内装は床面を木目調とし、座席は一般席を青、優先席を色弱者にも認識しやすい緑色とした。客席はロングシートが中心で2両編成時の定員は272人。車いす対応トイレを設置したほか、ドア付近には行き先や現在地を示す液晶式ディスプレーを採用。同社のローカル車両では初めて客室用防犯カメラも備えた。


木目調の床面や四国をイメージした座席が特徴の車内

木目調の床面や四国をイメージした座席が特徴の車内


 現在は量産先行車の2両2編成(4両)が完成。当面は徳島運転所に配置し、走行試験を重ねて高徳線など4路線に投入する。量産車は2027年度から順次導入し、製造から50年近く経過しているディーゼル車両から入れ替え、30年度までに先行車を含めて計70両(35編成)に増やす。

(四国新聞・2025/12/24掲載)


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