明治~昭和の同時期に香川県坂出市内を走っていた讃岐鉄道、琴平参宮電鉄、琴平急行電鉄。この三つの路線の写真や関連資料を集めた展示会が、香川県坂出市寿町の坂出市民美術館で開かれている。市民や鉄道ファンらが訪れ、多くの人や物を運び、記憶に刻まれたかつての坂出の鉄道風景を懐かしんでいる。22日まで。


坂出商工会が昭和8年に発行した市内案内図の一部。中央下部に讃岐鉄道、琴参、琴急が集まる坂出駅が位置している

坂出商工会が昭和8年に発行した市内案内図の一部。中央下部に讃岐鉄道、琴参、琴急が集まる坂出駅が位置している


 展示会名は「坂出の3つの鉄道展」。2011年に発足し、アートや映画などのイベントを行っている市民グループ「坂出の街を楽しむ会」(出田泰三会長)が鉄道を題材に初開催し、市民らから借り受けた当時の写真約50点、回数券や時刻表などの資料約30点を展示している。
 明治から昭和初期にかけて、坂出市内にはJR四国の前身となる讃岐鉄道、金刀比羅宮(琴平町)への参拝客を中心に乗せた琴参、琴急の2電鉄の計3路線が乗り入れていた。大正時代開業の琴参は1963(昭和38)年に廃止、昭和初期に坂出―琴平間が開業した琴急は44(昭和19)年に営業を休止した。


明治~昭和初期の坂出市内の鉄道風景写真などが並ぶ会場=香川県坂出市寿町、市民美術館

明治~昭和初期の坂出市内の鉄道風景写真などが並ぶ会場=香川県坂出市寿町、市民美術館


 展示資料のうち、33(昭和8)年に坂出商工会が発行した市内案内図は、3路線を車両のイラスト付きで紹介。昭和初期の撮影とされる1枚の写真は、琴参坂出駅を出て2番目の駅で、関連資料で廃止時期が謎とされている「新浜停留所」を写している。琴参廃止の当日、同路線の坂出駅に止まっていた電車の横を国鉄の蒸気機関車が走る写真も歴史を伝えている。
 俳優の高橋英樹さん、故和泉雅子さんが出演した日活映画「エデンの海」で馬が走るシーンのロケ地となった琴参坂出駅前の踏切写真もあり、市内から訪れた80代の女性2人組は「ロケは直接見た。踏切の遮断棒は当時、人力で上げ下げしていた。懐かしい」と思い出話に花を咲かせていた。
 開館時間は午前9時~午後5時、最終日の22日は午後4時まで。入館無料。

(四国新聞・2026/03/19掲載)



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