“写実絵画の殿堂”と呼ばれる「ホキ美術館」(千葉県千葉市)から厳選した作品を紹介する特別展「極・写実―ホキ美術館ベストセレクション」(四国新聞社など共催)が8日から、香川県高松市玉藻町の県立ミュージアムで開かれる。時間をかけて対象に向き合う写実表現の奥深さに“染まる”ことができる。5月17日まで。


生島浩「5:55」2007―2010年、ホキ美術館蔵

生島浩「5:55」2007―2010年、ホキ美術館蔵


 ホキ美術館は2010年に開館した日本初の写実絵画専門美術館。今展は写実表現の魅力に触れ、合わせて県立ミュージアム所蔵の写実作品にも興味を持ってもらうのが狙い。高い人気を誇る野田弘志、森本草介、生島浩をはじめ、若手作家ら27人の64点を紹介する。
 見どころの一つは、薄暗い部屋の中で座っている一人の女性を描いた生島の「5:55」。一点を見つめる表情や机の上に置かれたモチーフがミステリアスさを醸し出している。写真と見間違えるほど緻密に描かれた肌の質感や陰影によって、実際に存在しているかのような錯覚に陥る。


島村信之「夢の箱」2017年

島村信之「夢の箱」2017年


 島村信之の「夢の箱」は、まるでクワガタの標本箱を撮影しているかのように精密に描写した。昆虫の艶や足の毛が細やかにに描かれ、飼育から標本までを手がけた作者の愛情と鋭い観察眼が光っている。
 そのほか、満開のハギを背にしているネコを描いた藤原秀一の「萩と猫」も並ぶ。花びらが風に揺れる様や思わず触れたくなるような毛並みを表現し、穏やかな日常を感じることができる。
 入場料は一般1300円ほか。期間中無休。29日から5月6日まで夜間開館(午後8時まで)を行う。

関連イベント

■オープニングトーク 8日午前11時から/第1会場/要観覧券/登壇者 ホキ美術館館長・保木博子
■作家によるギャラリートーク 11日・生島浩/5月2日・石黒賢一郎/第1会場/午前11時からと午後2時からの2回/要観覧券
■ナイトコンサート「春奏でるフルート」 5月1日午後6時30分から/出演は北島由美、中尾麻沙也、愛染千絵子▽「春薫るサヌカイト」 5月2日午後6時から/出演は臼杵美智代、長田順子/1階図書コーナー/定員先着70人/無料
■プレミアムナイトツアー「写実に染まる夜」 4月17日、5月9日午後6時から/定員各回20人(じゃらんnetから要申し込み)/3千円

(四国新聞・2026/04/02掲載)


香川県立ミュージアム



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