高松市水道資料館(高松市鶴市町)近代化の功績伝えるレガシー 国の登録有形文化財 結婚式の前撮りも
1921(大正10)年に創設された御殿水源地のレトロな建物が残る高松市水道資料館(高松市鶴市町)。ポンプやモーターのある「喞筒場(そくとうじょう)」や事務所が当時の姿のまま現存し、近代水道の発展に寄与した人たちの功績を伝えている。最近では結婚式の前撮りなど新たなフォトスポットとして人気を呼んでいるという。
建物は主に喞筒場と事務所からなり、倉庫や北門門柱などと合わせて国の登録有形文化財となっている。2017年3月から行われていた耐震補強などの工事が今年2月に終了し、5月から一般公開されている。
半円形の高窓が印象的な喞筒場は、木造平屋建ての切り妻造り。建物の西側には壁面がれんが積みになった地下室があり、創建当時のモーターやポンプがたたずむ。窓から差し込む光は柔らかく、重厚な雰囲気のポンプと相まってフォトジェニックな空間が広がる。
建物の中では、高松市の近代水道の歩みもパネルなどを使って紹介している。高松は明治時代、コレラやチフスなどの流行に悩まされ、近代水道の創設が急務だった。それから100年余りがたち、今や蛇口をひねれば水が出てくるのは当然のことになった。
資料館を管理する県広域水道企業団高松事務所の山下耕治さん(39)は「この建物は、今の当たり前をつくってきた人のレガシー(遺産)なんです」と語ってくれた。喞筒場の南側には、現役で使われている浄水場のろ過池が広がる。
一方、事務所はL字形の建物で、現在は研修などに使われている。こちらも玄関にある半円形の装飾がかわいらしい。
レトロな洋風建築は、結婚式の前撮りやコスプレ撮影などに人気だという。土、日曜日にはたいてい予約が入っており、山下さんによると「前撮りの和装は栗林公園、洋装は水道資料館」というカップルも多いのだとか。
開館時間は10:00から17:00。入館無料。問い合わせは県広域水道企業団高松事務所、電話087-839-2711。
(四国新聞・2019/10/22掲載)
高松市水道資料館
所在地 | 香川県高松市鶴市町1360番地 |
---|---|
開館時間 | 10:00~17:00 |
休館日 | 年末年始(12/29~1/3) |
入館料 | 無料 |
TEL | 087-839-2711(県広域水道企業団高松事務所) |