不思議な絵にくぎ付け 高松市美術館 安野光雅展始まる 絵本などの原画130点紹介
画家や絵本作家など幅広い活動で知られる安野(あんの)光雅さん(93)の作品原画を集めた特別展「安野光雅 空想と風景 絵本原画の魅力」(高松市美術館主催、四国新聞社共催)が12日、高松市紺屋町の市美術館で始まった。機知に富んだ不思議な絵や、緻密に描かれた欧州の風景画が並び、美術ファンらの関心を集めている。12月22日まで。
安野さんは島根県出身。小学校教員を経て1968年に絵本「ふしぎなえ」でデビュー。国際アンデルセン賞や菊池寛賞など国内外で多くの受賞歴がある。科学や数学、文学にも造詣が深く、謎掛けを盛り込んだ絵本を手掛けている。
特別展では「空想」と「風景」をテーマにデビュー作から近作まで、絵本などの原画約130点を展示。どこが天井でどこが床か分からなくなる建物の絵や、迷路を目で追うと天地が逆になる不思議な絵がずらり。温かい色合いで描かれたイタリアの風景画には、羊の世話をする人らが細かく描き込まれ、緻密な描写に来場者からため息が漏れていた。
このほか、安野さんが戦時中に陸軍船舶兵として赴任した王越村(現在の坂出市王越町)など中四国の風景画も紹介。安野さんのファンだという60代の主婦皆見(みなみ)礼子さん=高松市円座町=は「細部や色が鮮明に見える原画の良さを実感しました」と話していた。
会期中は、2階廊下で県内の児童が絵本を題材に制作した作品を展示するほか、段ボールの迷路を楽しむコーナーなどもある。観覧料は一般千円ほか。高校生以下は無料。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。
(四国新聞・2019/11/13掲載)
高松市美術館
所在地 | 香川県高松市紺屋町10-4 |
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開館時間 | 9:30~17:00 |
休館日 | 月曜日(祝休日の場合は翌日) |
TEL | 087-823-1711 |