荘内半島の中で最も標高が高い紫雲出山(352メートル、香川県三豊市詫間町)。山頂展望台からは、粟島や高見島など塩飽の島々を望むことができ、ぐるりと瀬戸内海を展望できる。桜の名所として知られ、春にはたくさんの観光客でにぎわう山だが、冬の澄み切った空と海も爽快だ。


冬の澄んだ空と海が美しい展望台からの眺め。手前に見えるのは粟島

冬の澄んだ空と海が美しい展望台からの眺め。手前に見えるのは粟島


 紫雲出山でのサプライズは、山上駐車場から始まる。車を止めれば目の前に海。今の季節は赤や黄色に色づいた木々を眺めながら、自然遊歩道をゆっくりと歩いて7分。山頂展望台にたどり着く。

 まずは東を見てみよう。手前には粟島、その向こう側に高見島が見える。スクリューのような形をした粟島の山の木々が美しい。粟島の意外な近さに驚く観光客も多いのだとか。東側は、晴れていれば瀬戸大橋まできれいに見渡せる。北側には佐柳島、小手島、手島などのほか、真鍋島や北木島といった岡山県の島々が見える。

 西側に目を向けると、荘内半島の一番先端にあたる三崎灯台が見える。三崎灯台とその南側の古三崎周辺は漁場になっているようで、小さな船が米粒のようだ。漁船が停泊する集落の小さな海岸の美しさにも息をのんだ。


鴨之越と丸山島方面を望む。かすみがかかっていたが、それも幻想的で赴きがある

鴨之越と丸山島方面を望む。かすみがかかっていたが、それも幻想的で赴きがある


 展望台の周囲をぐるりと歩くと、鴨之越や丸山島の方面が一望できるスポットも。この日はかすみがかかり、水彩画のような淡い色合いを醸し出していた。

 魅力は眺望だけではない。紫雲出山にはおよそ2100年前の弥生時代に高地性集落があった。地域と地域の争いがあり、高い山の上から敵を見張ったり、のろしを上げたりするために集落はつくられた。紫雲出山遺跡館では、当時の人々の暮らしについて学ぶこともできる。


遺跡館内からの眺めも爽快。カフェではコーヒーなども提供している=いずれも三豊市詫間町、紫雲出山山頂展望台

遺跡館内からの眺めも爽快。カフェではコーヒーなども提供している=いずれも三豊市詫間町、紫雲出山山頂展望台


 館内からの眺めも絶景。ホットコーヒーやぜんざいなどの温かいものを楽しみながら、ぬくぬくと過ごしてみては。

 遺跡館は9:30~16:00(2月まで、季節で変動あり)。29日から1月3日まで休館。問い合わせは三豊市観光交流局、電話0875-56-5880。

(四国新聞・2019/12/17掲載)


紫雲出山(三豊市観光交流局)

紫雲出山山頂展望台


所在地 香川県三豊市詫間町大浜乙451-1
営業時間 遺跡館/9:30~16:00(2月まで、季節で変動あり)
定休日 遺跡館/12/29~1/3まで休館
TEL 0875-56-5880(三豊市観光交流局


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