多度津高校(香川県仲多度郡多度津町)の生徒が川魚のアマゴを海水にならして養殖したサツキマスが、高松市屋島東町の新屋島水族館で展示され、来館者の目を引いている。


新屋島水族館で展示しているサツキマスと、養殖した多度津高の生徒=高松市屋島東町


 サツキマスはサケ科で、アマゴの降海型魚。遡上(そじょう)する川の水質悪化などに伴って漁獲量は極めて少なくなっており、希少性と味の良さから「幻の高級魚」として珍重されている。

 同校では、2013年度から海洋生産科栽培技術コースの生徒たちがアマゴを段階的に海水にならす手法でサツキマスを養殖。17年からは認知度アップを目指し、同校独自のブランド「DCJ(ドリーム・チャレンジ・ジャンプ)サーモン」として市場に出荷している。

 今年は1月から500匹を養殖。当初は出荷を検討していたが、新型コロナウイルスの影響で魚を販売しにくい状況が続いていることから、昨年に続いて出荷を断念。うち30匹(体長40センチ)を同水族館に寄贈した。

 4月28日に同校からサツキマスが水族館に持ち込まれ、生徒6人がトラックに積んだ輸送用タンクから展示用の水槽への“引っ越し”作業を手伝った。生徒らが数匹ずつ入れたバケツなどを運び、受け取った水族館の飼育員は慎重に水槽内の水に慣らしながらそっと魚を放っていた。

 3年の赤木荘亮さん(17)は「色や模様が美しい魚。泳いでいる姿を見る機会はなかなかないので、ぜひ多くの人に見て知ってもらいたい」と話していた。

(四国新聞・2021/05/05掲載)



関連情報