高知県の切り絵作家・池知隆さん(70)が四国八十八カ所霊場巡りをテーマに制作した連作「お四国きり絵の旅」の展示会が、坂出市民美術館(香川県坂出市寿町)で開かれている。66番札所・雲辺寺から88番札所・大窪寺まで各寺の特徴などを捉えた作品が並んでおり、来館者は巡礼気分を味わっている。9日まで。



 坂出市民美術館は、これまでの個展開催などの交流が縁で今年2月、池知さんから四国霊場88点と高野山2点の計90点の作品を寄贈された。これを記念し、今回は香川編と銘打ち、23カ所の霊場や坂出市内の風景をテーマにした作品など計30点を展示している。

 会場には、五剣山の特徴的な山の姿を描いた85番札所・八栗寺や大勢の初詣客でにぎわう75番札所・善通寺、山門の近くでお遍路さんがにこやかな表情を浮かべている81番札所・白峯寺などの切り絵がずらり。雪が残る参道や緑の葉が生い茂る木々、快晴の光景など季節や天候の移り変わりを感じることもできる。

 池知さんは「新型コロナウイルスで旅行が難しい時期でもあるので、作品を通じて遍路を楽しんでもらえれば」と話している。同館では来年1月に愛媛編、来年度に高知と徳島編の作品展を開く予定にしている。

(四国新聞・2021/05/05掲載)



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