新聞社の写真部に在籍しているため、常にカメラを持っている。というか「背負っている」がより正確だろう。「いつ、どこで、何が起きるか分からない。一瞬を逃したくない」。若干オーバーだが、そんな気概は心の隅に置いている。

 何気ない日常に、世相が隠れている場合は多く、手当たり次第にシャッターを切っていると、やはり思いがけない光景に出合う。
 今週の一枚がこれ。富士山が水面に上下反転して映る「逆さ富士」ならぬ「逆さシンボルタワー」。海面は波でぼやけ、川や池もないため、想像もしていなかったが、灯台下暗し。ハーバープロムナードの噴水の広場に、うまい具合に映り込んでいるではないか。



 水底が浅く、日中はあまり見られないが、日が沈むにつれてくっきりと浮かび上がってきた。あまりのぴったり感に、「プロムナード設計者の意図では?」と勘ぐりたくなったが、これはちょっと考えすぎか。

(四国新聞・2019/09/08掲載)



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