2021お花見ガイド 桜の春、到来 コロナ対策忘れずに
今年は一足早く花見シーズンが到来―。ぽかぽか陽気に誘われ、1953年の統計開始以降最も早く、15日に高松市で桜（ソメイヨシノ）が開花した。高松地方気象台によると、見頃は週明け以降。淡いピンク色のかれんな花を楽しもうと、いそいそと出掛けたいところだが、依然として新型コロナウイルス禍。宴会は控え、個別で観賞するにも十分な対策を。四国の桜のスポットを紹介する。
栗林公園（高松市栗林町）
紫雲山を借景に、六つの池と13の築山を配した江戸初期の回遊式庭園。国の特別名勝に指定されている。園内にはソメイヨシノやシダレザクラなど約350本が花を咲かせる。26日～4月4日は営業時間を午後9時まで延長し、桜の多い北庭を中心にライトアップを行う。期間中、北湖で和船の夜間運航（午後6時から15分間隔で9便、要予約）を行う。
【メモ】JR栗林公園北口駅から徒歩約3分。栗林公園観光事務所、電話087-833-7411。
玉藻公園（高松市玉藻町）
ソメイヨシノや陽春、シダレザクラなど計76本が咲き誇る。25日～4月4日は、東門を入ってすぐの「桜の馬場」を夜間（午後5時半～8時）に限って無料開放する。150個のぼんぼりがともり、幽玄な雰囲気が漂う中、思い思いに園内の散策や桜見物を楽しめる。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、宴会などの自粛を呼び掛ける。
【メモ】JR高松駅から徒歩約3分。玉藻公園管理事務所、電話087-851-1521。
峰山公園（高松市峰山町）
石清尾山にある家族連れらに人気の公園。芝生広場近くから遊歩道に入ってしばらく歩くと、約400メートルにわたる桜並木が迎えてくれる。石清尾山古墳群にちなんだ大型遊具が並ぶ「はにわっ子広場」から展望台へと向かう道沿いも見どころで、展望台からは瀬戸内海と市街地の大パノラマが望める。「桜園」では、緑色の花を咲かせる御衣黄桜もある。
【メモ】高松自動車道高松中央ICから約20分。峰山公園管理事務所、電話087-834-7297。
龍桜公園（高松市香川町）
江戸時代の大干ばつの際に、高松藩士で土木技術者の西嶋八兵衛が築造した龍満池を中心とした公園。桜の名所として、さぬき百景に選ばれている。近くの川東八幡宮のお旅所が、池に150メートルほど突き出た場所にあり、参道の両脇にソメイヨシノが立ち並ぶ。陽光に輝く水面を背景に、満開の桜が咲き乱れる様は圧巻。県道に面した池の西側の桜も見どころ。
【メモ】市中心部から車で約30分。ことでんバスは竜満池下車。駐車場はない。開花状況の問い合わせは高松市香川総合センター、電話087-879-3211。
さぬき空港公園（高松市香南町）
高松空港に隣接した四つのゾーンからなる公園。ソメイヨシノなど約1500本が園内を淡いピンク色に染める。中でも空港駐車場へ続く道沿いの約200メートルは見応えがあり、「ポートヒルゾーン」のイベント広場や「カントリーゾーン」からの眺めもお薦め。園内にはグラススキー場やアスレチック遊具、水遊びを楽しめる噴水などもある。
【メモ】高松空港から徒歩約10分。車の場合は市中心部から約30分。さぬき空港公園、電話087-879-8510。
公渕森林公園（高松市東植田町）
園内にはソメイヨシノを中心に、ヤマザクラなど約5千本が咲き誇る。メインストリートの約500メートルの区間では、道の両側を彩る桜がトンネルとなり、来園者を出迎えてくれる。桜と競い合うように咲く色鮮やかなチューリップも圧巻。恒例の「さくらまつり」は新型コロナウイルス感染防止のため昨年に続いて中止に。見頃の時季に合わせて行っているちょうちんの点灯も見送った。
【メモ】高松自動車道高松中央ICから車で約20分。公渕森林公園、電話087-849-0402。
淡いピンク色のトンネルをつくる公渕森林公園の桜＝２０２０年３月３１日、高松市東植田町
亀山公園（丸亀市一番丁）
国史跡の丸亀城がある園内に、約650本のソメイヨシノやヤマザクラなどが咲く。大手門近くのうるし林や二の丸などにある桜が花見客の人気を集める。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、夜桜用のぼんぼりは点灯しない。ライトアップは20日から実施する予定。市は園内での飲食の自粛を呼び掛けている。散策しながら桜を見ることはできる。
【メモ】JR丸亀駅から徒歩約15分。車は高松自動車道坂出、善通寺の両ICから15分ほど。丸亀市観光協会、電話0877-22-0331。
天守と桜の競演が楽しめる丸亀城＝２０２０年４月３日、丸亀市一番丁
鎌田池（坂出市小山町）
坂出中学校の北側に位置し、地元で親しまれている名所。満開の桜が池の水面（みなも）に映り、飯野山（讃岐富士）を背景にした光景を楽しむこともできる。国道11号の金山トンネルを西に抜けると、池沿いの桜並木が目に飛び込んでくる。池の北側にある約650メートルの遊歩道沿いに咲くソメイヨシノは約100本。同校南の貯水池沿いにも桜並木があり、池東側の公園は遊具や広場が整備されている。
【メモ】JR坂出駅から車で約5分、徒歩約20分。駐車場は公園利用者向けが10台。坂出市にぎわい室、電話0877-44-5015。
桃陵公園（多度津町）
瀬戸内海を見下ろす高台に1500本ほどのソメイヨシノが咲く。すり鉢状のコンコース広場に広がる桜が見もの。恒例の「たどつさくらまつり」は中止するが、ぼんぼりの点灯や桜のライトアップは行う予定。
【メモ】JR多度津駅から徒歩約20分。車は高松自動車道善通寺ICから20分ほど。多度津町政策観光課、電話0877-33-1116。
金刀比羅宮（琴平町）
境内にはソメイヨシノやヤマザクラなど約3500本の桜が花を咲かせる。金刀比羅宮が鎮座する象頭山では7千本以上の桜が美を競い合う。大門から約150メートルにわたって石畳が続く「桜馬場」では、両側の桜がつくる淡いピンク色のアーチがお目見えする。恒例の鎮花祭「桜花祭（さくらさい）」は4月10日にある。
【メモ】表参道入り口までJR、琴電両琴平駅から徒歩約15分。高松自動車道善通寺ICから車で約15分。社務所、電話0877-75-2121。
紫雲出山（三豊市詫間町）
標高352メートルの山頂と付近一帯にソメイヨシノや八重桜など約千本が咲く。山肌を覆う桜並木と瀬戸内海の多島美のコラボレーションは壮観。2月に老木の保全のため剪定（せんてい）を実施し、山頂からの景観は従来と様変わりしている。開花時期は平地より1週間ほど遅く、今年は27日～4月12日の期間、オンラインで事前予約した車両に限り、有料で入山を許可する。
【メモ】JR詫間駅から車で約40分。入山チケットは18日正午に販売を開始し、売り切れ次第終了。料金はマイカー1台につき1530円。三豊市観光交流局、電話0875-56-5880。
琴弾公園（観音寺市有明町）
「金運のまち」のシンボルとして名高い銭形砂絵があり、人気スポットとなった高屋神社本宮「天空の鳥居」にも近い。園内にはソメイヨシノや大島桜などが約400本あり、鮮やかなピンク色が松林の緑によく映える。22日ごろから4月中旬までの日没から午後10時まで、ぼんぼりがともり、散策しながら夜桜を楽しめる。
【メモ】高松自動車道さぬき豊中ICから車で約15分。JR観音寺駅から徒歩約20分。観音寺市観光協会、電話0875-24-2150。
鮮やかに咲き誇る琴弾公園の一角にある琴弾八幡宮境内の桜＝２０２０年４月２日、観音寺市
蛙子池（かえるごいけ）さくらの森（土庄町）
小豆島とのしょう観光協会と土庄町が2006年に整備した桜の名所。銚子渓自然動物園「お猿の国」の駐車場から約1キロ南東にある蛙子池まで続く道沿いや池周辺にソメイヨシノや陽光、大島桜など約千本が植樹されている。同協会では今月下旬から4月上旬までが見頃と見通している。新型コロナウイルスの影響で今年も湯茶接待は実施しない。
【メモ】土庄港から車で約20分。小豆島とのしょう観光協会、電話0879-62-2009。
城山（しろやま）桜公園（小豆島町）
ソメイヨシノを中心に約500本が植樹されており、眼下に広がる池田湾と一体となった眺望が素晴らしい。見頃は今月下旬から4月上旬までの見通し。木下恵介監督の映画「二十四の瞳」（1954年）では、満開の桜の下で「電車ごっこ」遊びをする場面が撮影された。地元有志でつくる城山保存会が遊歩道の整備や植樹、ぼんぼりの取り付けなどに取り組んでいる。
【メモ】池田港から車で約5分、土庄港からは約15分。国民宿舎小豆島、電話0879-75-1115。
亀鶴公園（さぬき市長尾名）
園内の池に浮かぶ亀島と宇佐神社を結ぶ約300メートルの桜並木が人気を集めるスポット。両脇に計約200本のソメイヨシノなどが植えられ、満開時は華やかな桜のアーチが完成する。恒例の夜間ライトアップは、新型コロナウイルス対策で密集を避けるため中止。神社恒例の「鎮花祭（はなしずめのまつり）」は4月4日にあり、感染状況次第だが、舞姫らが亀島のお旅所まで歩く行列は規模を縮小して実施する予定。
【メモ】琴電長尾駅から車で約5分、高松自動車道志度ICからは約15分。さぬき市商工観光課、電話087-894-1114。
前山ダム公園（さぬき市前山）
ダム周辺に約500本のソメイヨシノがあり、見頃を迎えると花見客でにぎわう。周囲には全長約3キロのウオーキングコースが整備されており、家族連れらが散策を楽しむスポットとしても知られる。近くの道の駅ながお周辺で開かれる恒例の「さくらまつり」は新型コロナウイルスの影響で今年も中止。同駅の産直で、地元の新鮮な野菜などは普段通り購入できる。
【メモ】高松自動車道志度ICから車で約20分。さぬき市商工観光課、電話087-894-1114。
（四国新聞・2021/03/019掲載）