２０２４お花見ガイド 春の宴すぐそこ
日を追うごとに暖かくなり、待望の花見シーズンが間近に迫ってきた。日本気象協会の予想（20日発表）によると、高松の桜（ソメイヨシノ）の開花は25日。満開は4月3日を見込んでいるが、今後の気温によっては時期が早まることもある。お出かけ前には見頃の確認をお忘れなく。シーズン本番を前に、香川のお花見スポットを紹介する。
栗林公園（高松市栗林町）
国の特別名勝。ソメイヨシノやシダレザクラなど約300本が花を咲かせる。ライトアップは29日～4月7日（午後6時から）。従来のコースを一部変更し、北湖を周遊して脩竹岡（しゅうちくこう）の桜や旧日暮亭を観賞できるルートにする。開園時間は午後9時まで延長（入園は同8時半まで）。期間中、北湖で和船の夜間運航（要予約）を行うほか、土日にはコンサートなどの多彩な催しを開く。
【メモ】JR栗林公園北口駅から徒歩約3分。ライトアップ期間中の土日のみ、ハローワーク高松（花ノ宮町）に無料の臨時駐車場を設ける。利用時間は午後5時～同9時半。栗林公園観光事務所087-833-7411。
玉藻公園（高松市玉藻町）
東門を入ってすぐの「桜の馬場」には、ソメイヨシノや陽春、シダレザクラなど計76本が咲き誇る。見頃の時季に行う恒例の夜間（午後5時半～同8時）の無料開放は、29日から4月7日まで。150個のぼんぼりがともる幽玄な雰囲気の中、園内の散策や桜見物など昼間とひと味違った風情が楽しめる。
【メモ】JR高松駅から徒歩約3分。玉藻公園管理事務所087-851-1521。
ソメイヨシノなどが咲き誇る玉藻公園の桜の馬場＝２０２３年３月３０日、香川県高松市玉藻町
さぬき空港公園（高松市香南町）
高松空港に隣接した四つのゾーンからなる公園。ソメイヨシノなど約1500本が園内をかれんなピンク色に染める。中でも空港駐車場に続く道沿いの約200メートルは圧巻。「ポートヒルゾーン」のイベント広場や「カントリーゾーン」からの眺めもお薦めだ。25日から4月9日までは、両ゾーンの開園時間を午後6時まで延長。見頃の時季には、キッチンカーの出店も予定している。
【メモ】高松空港から徒歩約10分。車の場合は高松市中心部から約30分。さぬき空港公園087-879-8510。
公渕森林公園（高松市東植田町）
県内有数の桜の名所。ソメイヨシノを中心に、ヤマザクラなど約5千本が咲き誇る。メインストリートの約500メートル区間では、約130本の桜が淡いピンクのアーチをつくり、来園者を出迎える。見頃は例年3月下旬～4月上旬。桜と競い合うように咲く約6千本のチューリップも見どころで、道なりに飾り付けた約200個のちょうちんが花見を盛り上げる（夜間点灯なし）。31日にはイベントも開かれる。
【メモ】高松自動車道高松中央ICから車で約20分。公渕森林公園087-849-0402。
峰山公園（高松市峰山町）
家族連れらに人気の憩いのスポット。芝生広場近くから遊歩道に入ってしばらく進むと、約400メートルにわたる桜並木が迎えてくれる。石清尾山古墳群にちなんだ大型遊具が並ぶ「はにわっ子広場」から展望台へ向かう道沿いも花見スポットで、展望台からは瀬戸内海や市街地の大パノラマが広がる。「桜園」には、緑色の花を咲かせる御衣黄桜（ぎょいこうざくら）もある。
【メモ】高松自動車道高松中央ICから車で約20分。峰山公園管理事務所087-834-7297。
城山（しろやま）公園（小豆郡小豆島町池田）
ソメイヨシノを中心に、寒桜など約500本が池田湾を見下ろす高台の公園一帯を淡いピンク色に染める。青い海や緑の島々、行き交う船と一緒に咲き誇る花を眺められるのは格別の趣がある。見頃は3月下旬から4月上旬までの見通し。木下恵介監督の映画「二十四の瞳」（1954年公開）では満開の桜の下で「電車ごっこ」をする場面が撮影された。地元有志でつくる城山保存会が遊歩道の整備や木々の手入れ、ぼんぼりの設営などに取り組んでいる。
【メモ】池田港から車で約5分、土庄港からは約15分。国民宿舎小豆島0879-75-1115。
蛙子池（かえるごいけ）さくらの森（小豆郡土庄町肥土山）
土庄町などが2006年から整備してきた桜の名所。銚子渓自然動物園「お猿の国」の駐車場から約1キロ南東にある蛙子池まで続く道沿いや池の周辺にはソメイヨシノや陽光桜、大島桜など合わせて約千本が植えられている。見頃は3月下旬から4月10日ごろまでの見通し。標高が高く、入り組んだ地形で場所によって光の当たり方が大きく異なるため、花が長い期間楽しめる。
【メモ】土庄港から車で約20分。一般社団法人「setouchiとのしょう」0879-62-2009。
不動の滝カントリーパーク（三豊市豊中町）
七宝山の南麓にあり、高さ約50メートルの絶壁を流れ落ちる「不動の滝」を囲む緑豊かな公園。滝の近くや遊歩道沿いなどに、ソメイヨシノを中心に約300本の桜が植えられている。夜には午後10時ごろまで街灯がともる。遊具が設けられた芝生広場やパットゴルフ場は家族連れらの憩いのスポットになっている。
【メモ】高松自動車道さぬき豊中ICから車で約10分。JR本山駅から徒歩約20分。駐車場は約80台。見頃となりそうな土日の30、31両日には鳩八幡神社が臨時駐車場に。三豊市豊中コミュニティセンター0875-62-5205。
流れ落ちる滝と桜との調和が美しい不動の滝カントリーパーク＝２０２３年３月３０日、香川県三豊市豊中町
紫雲出山（三豊市詫間町）
瀬戸内海の多島美と桜を同時に楽しめる荘内半島の最高峰。標高352メートルの山頂付近を中心にソメイヨシノなど約600本が山肌を覆う。欧米の主要メディアに紹介され、昨年の「桜シーズン」には30カ国以上から観光客が訪れた。今年は23日～4月11日を桜シーズンとし、マイカー客はオンラインで予約した車両に限り、有料で入山できる。
【メモ】JR詫間駅から車で約45分。入山チケットの料金は乗用車1台につき平日1750円、土日2300円。徒歩で登山する場合は予約は不要。1人500円の桜募金に協力を依頼する。三豊市観光交流局0875-56-5880。
前山ダム周辺（さぬき市前山）
ダム周辺に約500本のソメイヨシノが立ち並び、穏やかな湖面と桜を同時に楽しめる。全長約3キロのウオーキングコースが整備されており、家族連れらが散策に訪れるスポットとしても知られる。ダム近くには地元の新鮮な野菜などを購入できる道の駅ながお、四国遍路に関する多彩な史料を展示しているおへんろ交流サロンがある。
【メモ】高松自動車道志度ICから車で約20分。さぬき市商工観光課087-894-1114。
亀鶴公園（さぬき市長尾名）
東讃屈指の花見スポット。園内の池に浮かぶ亀島と宇佐神社を結ぶ約300メートルの道沿いに約200本のソメイヨシノなどが植えられており、満開時には桜のアーチが完成する。23日から見頃が終わるまでは夜間ライトアップ（午後6～9時）も行う。神社恒例の「鎮花祭（はなしずめのまつり）」は4月7日に行われ、平安絵巻から飛び出したような着物姿の行列が練り歩く様子を楽しめる。
【メモ】琴電長尾駅から車で約5分、高松自動車道志度ICからは約15分。さぬき市商工観光課087-894-1114。
約２００本の桜が咲き誇る亀鶴公園＝２０２３年３月２８日、香川県さぬき市長尾名
鎌田池（坂出市小山町）
坂出中学校北側にあり、住民から愛される名所。国道11号の金山トンネルを西に抜けると、池北側の遊歩道（約650メートル）沿いに並ぶ約100本のソメイヨシノが目に飛び込んでくる。池の周囲は約1・6キロで、住民のウオーキングコースとしても人気。同校南の貯水池沿いにも桜並木があり、水面に映し出される花々の姿が、春のムードを鮮やかに演出する。
【メモ】JR坂出駅から車で約5分、徒歩約20分。駐車場は公園利用者向けが10台。坂出市産業観光課0877-44-5103。
亀山公園（丸亀市一番丁）
丸亀城を頂く園内にソメイヨシノを中心にヤマザクラなど約650本が咲き誇り、大勢の市民らでにぎわう。お薦めは大手門近くのうるし林や二の丸など。27日～4月10日には「丸亀城桜まつり」を開催。大手門広場やうるし林近くに約20の露店が並び、夜桜用として日没から午後9時ごろまで約500個のぼんぼりを点灯。各所でライトアップも行う。
【メモ】JR丸亀駅から徒歩15分。車は高松自動車道坂出、善通寺両ICから15分。丸亀市観光協会0877-22-0331。
金刀比羅宮（仲多度郡琴平町）
ソメイヨシノやボタンザクラ、ヤマザクラなど約3500本が境内を彩る。中でも大門から約150メートルにわたって石畳が続く「桜馬場」では、桜が薄いピンク色のアーチを形成、風に舞う花びらが参拝者に春を届ける。4月10日には恒例の鎮花祭「桜花（ さくら ）祭（さい）」があり、本宮で巫女（みこ）が優雅な舞を奉納する。金刀比羅宮の鎮座する象頭山全体では、7千本以上が美しさを競い合う。
【メモ】表参道入り口までJR、琴電両琴平駅から徒歩約15分。高松自動車道善通寺ICから車で約15分。社務所0877-75-2121。
桃陵公園（仲多度郡多度津町）
瀬戸内海を見下ろす高台にソメイヨシノなどが約1500本。27日～4月3日（予定）には日没から午後9時までライトアップする。同7日には「たどつさくらまつり」を開催。地元中学生の吹奏楽やキッズダンスの披露、ビンゴゲームのほか、キッチンカーや物産模擬店、起震車による地震体験などを予定。「たどつ全国凧（たこ）あげ大会」も堀江サッカー場で同時開催。
【メモ】JR多度津駅から徒歩約20分。車は高松自動車道善通寺ICから約20分。多度津町政策観光課0877-33-1116。
琴弾公園（観音寺市有明町）
観音寺市のシンボル「銭形砂絵」がある名勝は「日本さくら名所100選」に選定されている。園内にはソメイヨシノを中心に約350本の桜が咲き、ピンクと松林の緑がコントラストを描く。朱塗りの反り橋が架かる琴柱池（ことじいけ）の周辺は桜が水面に映え、格好のフォトスポット。20日過ぎから4月20日ごろまで日没に合わせて、ぼんぼりに明かりがともされ、夜桜を楽しめる。
【メモ】高松自動車道さぬき豊中ICから車で約15分。JR観音寺駅から徒歩約20分。観音寺市観光協会0875-24-2150。
（四国新聞・2024/03/21掲載）