今年も錦秋の季節がやってきた。秋の深まりとともに山々が赤や黄色などに染まり、あでやかな自然の衣をまとった美しい風景には心も体も癒やされる。これから本番を迎える県内の紅葉名所を紹介する。お出掛け前には、最新情報や天気予報の確認をお忘れなく。

栗林公園(高松市栗林町)


鮮やかに秋を彩る栗林公園の紅葉=2018年11月16日、高松市栗林町


 見頃は11月下旬から12月上旬までになりそう。カエデが頭上に折り重なるように植えられている南湖沿いの「楓岸(ふうがん)」、南湖内に浮かぶ「楓嶼(ふうしょ)」などが見どころだ。赤や黄色に彩られた木々と園内の青々とした松の対比の美しさは圧巻で、由緒ある日本庭園でみやびな秋を満喫できる。11月22日~12月1日はライトアップを行い、20:30まで入園可能。期間中は夜間も和船を運航する。

 【メモ】JR栗林公園北口駅から徒歩約3分。11、12月の通常の閉園時間は17:00。問い合わせは栗林公園観光事務所、電話087-833-7411。

大窪寺(さぬき市多和)

 県境近くの女体山の麓にあり、四国遍路の長旅を終えたお遍路さんが笠(かさ)や金剛杖(づえ)を納める四国霊場の結願寺。境内周辺にモミジやイチョウなどが植えられており、イチョウは23日ごろから色づき始め、主となるモミジは例年11月中旬から下旬までが見頃。近くの旧多和小学校跡には天体望遠鏡博物館があり、隣接する地域住民が運営する産直市では特区指定を受けたどぶろくを販売している。

 【メモ】高松自動車道志度ICから車で約40分。JR志度駅などからコミュニティバスも運行。問い合わせは市観光協会、電話087-894-1601。

五名ダム周辺(東かがわ市五名)

 湊川上流の豊かな自然が広がるエリアで、山あいの穏やかな雰囲気に包まれたスポット。イチョウやモミジなどが例年11月上旬から色づき始める。今年7月には車で約5分の位置に産直カフェ「五名ふるさとの家」(営業日は週末の金曜~月曜)がオープン。飲食が楽しめるほか、新鮮な旬の野菜などが購入できる。少し足を延ばせば「つるぬるの湯」として知られる白鳥温泉もある。

 【メモ】高松自動車道の白鳥大内、引田両ICからいずれも車で約30分。問い合わせは市地域創生課、電話0879-26-1276。

寒霞渓(小豆島町)

 日本三大渓谷美の一つに数えられる絶景を誇る。長い歳月によって生み出された奇岩怪石に約50種類の紅葉植物が自生し、常緑樹との対比が美しい。山頂付近から徐々に色づき始め、見頃のピークは11月20日ごろの見通し。登山道をのんびりと歩いたり、ロープウエーで空中から眺めたりと、紅葉の楽しみ方はさまざま。11月3日には山頂の展望デッキで、抹茶と菓子を振る舞う恒例の「もみじ茶会」が予定されている。

 【メモ】土庄港から山頂まで車で約40分、草壁港からは約30分。問い合わせは寒霞渓ロープウェイ、電話0879-82-2171。

岩部八幡神社(高松市塩江町)


黄金色に照り映える岩部八幡神社の大イチョウ=2018年11月16日、高松市塩江町(東かがわ市のNPO法人「輝」によるドローン撮影)


 鳥居の脇にどっしりと根を張る2本のイチョウの巨木。樹齢600年超、樹高約33メートルで、県の天然記念物に指定されている。枝いっぱいに茂らせた葉が鮮やかに色づき、陽光を受けて黄金色に照り映えるさまは圧巻。シーズン終盤には落ち葉が辺り一面を埋め尽くし、黄色いじゅうたんのような景色も楽しめる。見頃は11月中旬。

 【メモ】高松市中心部から国道193号を車で約50分。岩部バス停から徒歩1分。問い合わせは岩部八幡神社、電話087-893-0159。

大滝山(高松市塩江町)

 標高946メートルの高峰に、ケヤキやカエデなどの広葉樹が群生し、周囲が鮮やかな赤や黄色に染まる。11月9日17:30から、奥の湯公園で約千本の竹あかりをライトアップする。恒例の「塩江紅葉まつり」は11月10日10:00から、行基の湯前広場で開催。色づき始めた木々を眺めながら、ニジマス釣りや竹細工、丸太切りなどの多彩な体験イベントが楽しめる。

 【メモ】高松市中心部から国道193号、県道美馬塩江線を車で約1時間。問い合わせは塩江温泉観光協会、電話087-893-0148。

白峯寺(坂出市青海町)

 四国霊場81番札所。五色台の西端、白峰の中腹に位置し、崇徳上皇を祭る頓証寺殿(とんしょうじでん)横の大イチョウは必見。本堂に続く石段沿いの並木なども鮮やかに彩られ、境内全体が見どころとなる。国指定史跡「讃岐遍路道 根香寺道」など82番札所・根香寺までの遍路道も木々が色づき、青海神社と白峯寺を結ぶ「西行法師の道」からも五色台の紅葉を楽しむことができる。例年の見頃は11月中旬以降。

 【メモ】高松自動車道坂出ICから車で約30分。駐車場約250台。問い合わせは市観光協会、電話0877-35-8428。

金刀比羅宮(琴平町)

 広大な神域は四季の移ろいとともに表情を変え、参拝者を迎え入れる。金刀比羅宮が鎮座する象頭山は手つかずの自然が広がり、裏参道も紅葉の名所として名高い。見頃は11月末以降になりそう。11月10日には本格的な秋の訪れを告げる恒例の神事「紅葉祭」がある。晴れていれば雅楽の調べが流れる中、巫女(みこ)らが大門から本宮までの石段をゆっくりと上り、参拝客らを優雅な時代絵巻の世界へいざなう。

 【メモ】JR、琴電の両琴平駅から表参道まで徒歩約15分。車では高松自動車道善通寺ICから約15分。問い合わせは金刀比羅宮社務所、電話0877-75-2121。

法泉寺(観音寺市大野原町)

 国指定重要文化財の豊稔池堰堤(えんてい)から約2キロ奥に入ったところにある。境内には樹齢100年を超えるカエデが十数本あるほか、周辺にはイチョウなどもあり、晩秋には赤や黄に色づき、柔らかな光を照り返す。今年は11月中旬から下旬が見頃か。毎年恒例の「もみじ祭り」は11月17日に開催。里山の風情を堪能しながら味わえる茶席をはじめ、書道展、産直市、うどんのバザーなどがある。

 【メモ】高松自動車道大野原ICから車で約20分。JR観音寺駅からタクシーで約25分。問い合わせは法泉寺、電話0875-54-4178。

雲辺寺山周辺(観音寺市大野原町)

 標高927メートルの雲辺寺山周辺は11月上旬から中旬にかけて紅葉に彩られ、ロープウエーのゴンドラからは錦秋の大パノラマが楽しめそう。四国霊場66番札所・雲辺寺境内では400本とも500本ともいわれるモミジやイチョウなど自生した木々が赤色、黄色とあでやかさを増す。見応えのある五百羅漢付近など日当たりの良い場所から色鮮やかな紅葉が進んでいく。

 【メモ】山麓駅へは高松自動車道大野原ICから車で約15分。料金は大人往復2200円。問い合わせは雲辺寺ロープウェイ、電話0875-54-4968。

美霞洞渓谷(まんのう町)

 讃岐十景に選ばれている風光明媚(めいび)な景勝地。国道438号を徳島方面に南下し、県境の三頭トンネルに近づくと、明神川周辺で鮮やかに色づくモミジなどが眼前に広がる。清らかな渓谷美に心が満たされる。竜王山や大川山では讃岐平野を眼下に紅葉狩りを満喫できる。ピークは11月上旬から中旬までの見通し。近くの道の駅「ことなみ」内には平賀源内が効能などを紹介したと伝わる温泉がある。

 【メモ】高松自動車道善通寺ICから車で約55分、JR琴平駅からは約45分。問い合わせは道の駅「ことなみ」内のエピアみかど、電話0877-56-0015。

(2019/10/30)


紅葉ガイド2019


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