今年の世相を表す漢字は「令」。新元号令和に新たな時代の希望を感じた県民も多いことだろう。県内10大ニュースでは、瀬戸内国際芸術祭や木下サーカスの公演、東京五輪聖火リレーの県内ルート決定、高松商高の甲子園春夏連続出場など明るい話題が目立った。新年の干支(えと)は子(ね)(ネズミ)。子どもをたくさん産むことから子孫繁栄の象徴とされ、大黒天の使者として縁起がいいともいわれる。十二支で最初に数えられる子の年は文字通り初心に帰り、改元に続いて気持ちを新たに臨みたいものだ。県内の初詣スポットを紹介する。

国分寺(高松市国分寺町)

 四国霊場80番札所。境内全体が国の特別史跡で、本堂や本尊、釣り鐘は国重要文化財に指定されている。31日23:55ごろから除夜の鐘を突ける。お守りなどを買い求めた人を対象に、購入額に応じて「2020年」にちなんだオリジナルデザインの布製バッグや縁起物のお菓子をプレゼントする。宝船に乗ったネズミの七福神を描いた顔出しパネルを境内に設置。自由に写真撮影できる。

 【メモ】JR国分駅から徒歩約5分。高松自動車道高松西ICから車で約20分。問い合わせは国分寺、電話087-874-0033。

屋島寺(高松市屋島東町)

 屋島山上にある四国霊場84番札所で、例年、大勢の参拝客でにぎわう。山上の談古嶺では元日6:20から恒例の「初日来迎式」が開かれる。新年への願いを込めて参加者が一斉に「かわらけ投げ」(先着千人)を行う他、讃岐国分寺太鼓保存会の演奏や屋島小児童による「屋島讃歌」の披露、甘酒のお接待(先着千人)などもある。来迎式の問い合わせは、屋島山上観光協会、電話087-841-9443。

 【メモ】JR、琴電の両屋島駅から屋島山上まで車で約10分。問い合わせは屋島寺、電話087-841-9418。

八栗寺(高松市牟礼町)

 商売繁盛や学業成就、縁結びの御利益で知られる。31日23:00ごろから除夜の鐘突きの整理券を先着108人に配布。鐘を突いた参拝客に清酒を振る舞う。三が日は本尊の聖観音や多宝塔の大日如来を開帳する他、同寺に祭る讃岐三大天狗(てんぐ)の一狗、中将坊などを描いた「五剣山天狗マンダラ図絵」を特別公開する。31日10:00~元日18:00は八栗ケーブル付近で交通規制があり、裏参道は3日18:00まで車両通行止め。

 【メモ】琴電八栗駅から八栗ケーブル登山口駅まで徒歩約20分。同山上駅から徒歩約5分。問い合わせは八栗寺、電話087-845-9603。


おみくじで「大吉」を引き当て笑顔の家族連れ=2019年1月1日、高松市牟礼町の八栗寺


石清尾八幡宮(高松市宮脇町)

 高松市民に親しまれ、毎年多くの参拝客でにぎわう。31日15:00から大はらい式があり、23:30から年越しイベントを開催する。参拝客と共にカウントダウンを行い、新年の幕開けを祝う。獅子舞の奉納の他、新酒の振る舞い、うどんやぜんざいなどのお接待もある。周辺では31日から3日にかけて交通規制を実施し、JR高松駅から、琴電瓦町駅を経て石清尾八幡宮までを結ぶ無料のシャトルバスを運行する。

 【メモ】JR栗林公園北口駅から徒歩約10分。無料バスはJR高松駅から20分ほど。問い合わせは石清尾八幡宮、電話087-862-5846。

田村神社(高松市一宮町)

 「讃岐一宮」と称され、水神を祭る神社としても知られる。家内安全や安産、合格などを祈願する大勢の参拝客でにぎわう。31日14:00から大はらい式がある。元日を迎えると同時に歳旦祭を営み、初祈とうを行う。本殿前には、干支(えと)のネズミにちなんで、巨大な絵馬(縦横各約4メートル)を飾り付ける。三が日は近くの県農協高松市中央一宮支店に臨時駐車場を確保する。

 【メモ】高松自動車道高松西ICから車で約10分、高松中央ICからは約15分。琴電一宮駅から徒歩約10分。問い合わせは田村神社、電話087-885-1541。

長尾寺(さぬき市長尾西)

 四国霊場87番札所。2日は9:00ごろから14:00ごろまで、鎌倉時代が起源とされる恒例の三味線餅つきを行う。大勢の参拝客でにぎわう境内に軽快な三味線の音色が響く中、3人が息を合わせて順番に杵(きね)を下ろす「三本杵」の妙技などを披露する。つき上がった餅の一部は大鏡餅にされ、7日の大会陽(だいえよう)で開かれる恒例の力餅運搬競技に使われる。

 【メモ】高松自動車道志度ICから車で約10分。琴電長尾駅から徒歩約3分。問い合わせは長尾寺、電話0879-52-2041。

大窪寺(さぬき市多和)

 女体山(標高776メートル)の麓にある四国八十八カ所霊場の結願寺。四国遍路の長旅を終えたお遍路さんが笠(かさ)や金剛杖(づえ)を納めて帰路に就くことで知られる。境内は奇岩に覆われた胎蔵ケ峰(たいぞうがみね)をはじめ、讃岐山脈の山々に囲まれており、除夜の鐘が幻想的に鳴り響く中で新年を迎えられる。新年はうるう年。うるう年は伝説で「逆打ち(逆の順番で巡礼)をすると功徳がある」とされており、逆打ちの“最初”の札所として例年以上の人出が予想される。

 【メモ】高松自動車道志度ICから車で約40分。JR志度駅などからコミュニティーバスも運行する。問い合わせは大窪寺、電話0879-56-2278。

与田寺(東かがわ市中筋)

 四国霊場八十八カ所の奥の院として知られ、厄よけ寺としても有名。厄よけ祈願は9:00から16:00まで受けられる。元日0:00から干支(えと)の子(ね)をあしらったお守りを先着100人にプレゼントする。この他、三が日が晴天の場合、多宝塔をご開帳する。3日13:00からは柴燈(さいとう)大護摩供養が執り行われる。

 【メモ】高松自動車道白鳥大内ICから車で約3分。約600台の無料駐車場がある。最寄り駅はJR三本松駅。問い合わせは与田寺、電話0879-25-4726。

東照寺(田ノ口薬師)(東かがわ市白鳥)

 厄よけの「田ノ口薬師」として知られる日本三薬師の一つ。毎年、県内外から大勢の参拝客が訪れる。本堂を参拝した後、地下の回廊を巡るのが厄よけの手順となっており、本堂前の石臼に数え年分の数のさい銭を入れて杵(きね)でつく習わしがある。本尊の秘仏「薬師瑠璃光(るりこう)如来」は、弘法大師空海が満濃池を修築後に同寺に立ち寄って作り上げたとされている。

 【メモ】高松自動車道白鳥大内ICから車で約10分。最寄り駅はJR讃岐白鳥駅。問い合わせは東照寺、電話0879-25-4817。

白鳥神社(東かがわ市松原)

 日本武尊(やまとたけるのみこと)が白鳥になって舞い降りたという伝説が残り、祭神の一つにもなっている。元日0:00に高さ5.5メートル、幅7.5メートルのジャンボ絵馬がお披露目され、願い事を自由に書き込める。元日は甘酒やお茶など温かい飲み物の接待もある。3日は恒例の新年弓道大会が開かれる。境内には日本一低いとされる御山(標高3.6メートル)があり、社務所で登山証を発行する。

 【メモ】高松自動車道白鳥大内IC、引田ICから車で各約10分。最寄り駅はJR讃岐白鳥駅。問い合わせは白鳥神社、電話0879-25-3922。

白峯寺(坂出市青海町)

 四国霊場81番札所で悲運の帝・崇徳上皇の菩提(ぼだい)寺。本堂や阿弥陀堂、上皇を祭る頓証寺殿(とんしょうじでん)など9棟が国の重要文化財に指定されており、参拝に合わせて鑑賞したい。31日23:50ごろから除夜の鐘を突き、記念品として干支(えと)の土鈴を贈る(先着順)。三が日は9:00から16:30まで特別ご祈とう・おはらい。初護摩祈とうは元日が1:00と14:00から、2日と3日は14:00から。

 【メモ】高松自動車道の坂出、高松西、高松檀紙の各ICから車で約20分。駐車場は約250台。問い合わせは白峯寺、電話0877-47-0305。

郷照寺(宇多津町)

 青ノ山の麓の高台にある四国霊場78番札所。「厄よけうたづ大師」として広く信仰を集めている。大みそかの31日夜から3日夜までは、発光ダイオード(LED)で参道を照らし出す他、約500年前に造られた池泉鑑賞式庭園のライトアップも実施する。厄よけの祈とうは元日から3日までが8:00~18:00、4日以降は17:00まで行う。

 【メモ】JR宇多津駅から車で約5分、徒歩約15分。高松自動車道坂出ICから車で約10分。問い合わせは郷照寺、電話0877-49-0710。

滝宮天満宮(綾川町滝宮)

 学問の神様・菅原道真を祭るゆかりの地とあって、大学や高校などの入試を控えた受験生や保護者らが合格祈願を兼ねて大勢訪れる。三が日の10:00と14:00からは、参拝客に福を分けようと、「福」の文字が入った福あめを振る舞う。1月25日は初天神祭。年末年始に持ち寄ったお札やお守り、しめ縄などのお焚(た)き上げがあり、ぜんざいやミカンの接待も行う。

 【メモ】琴電滝宮駅から徒歩約5分。車は高松自動車道高松西、高松檀紙の両ICから約30分、府中湖スマートICから約5分。問い合わせは滝宮天満宮、電話087-876-0199。

総本山善通寺(善通寺市善通寺町)

 四国霊場75番札所で弘法大師空海の生誕地として知られる真言宗善通寺派の総本山。除夜の鐘が響く中、新年最初の法要「修正会(しゅしょうえ)」を元日午前0時から営む。2023年に空海の生誕1250周年を迎えるのに合わせ、「年明けうどん」1250食を振る舞う。無病息災を祈願する法要「星供(ほしく)」は12月22日の冬至から2月3日の節分まで毎日執り行う。

 【メモ】JR善通寺駅から徒歩約15分、高松自動車道善通寺ICから車で約10分。駐車場は約350台。問い合わせは総本山善通寺、電話0877-62-0111。

金倉寺(善通寺市金蔵寺町)

 四国霊場76番札所。弘法大師空海が生まれた774年に創建された。天台宗寺門派の開祖、智証大師円珍の生誕地で、乃木希典将軍が旧陸軍第11師団長時代に寄宿したことでも知られる。元日0:00から餅や祈願札を先着100人に配り、三が日にはあめ湯の接待がある。元日と3日の15:00からは正月初護摩供養を行う。

 【メモ】高松自動車道善通寺ICから車で約5分。JR金蔵寺駅から徒歩約10分。問い合わせは金倉寺、電話0877-62-0845。

讃岐宮県護国神社(善通寺市文京町)

 約3.4ヘクタールの広大な境内は深い森に包まれ、厳かな雰囲気が漂う。本宮は明治期以来の県出身者の戦没者を祭っており、他に日本一社交通神社や先賢堂などもある。31日23:30ごろから獅子舞や古武道を奉納。元日0:00から恒例の龍神太鼓の初打ちの他、先着1500人に新春福引を行う。同日正午からは歳旦祭が営まれる。

 【メモ】高松自動車道善通寺ICから車で約10分。JR善通寺駅から徒歩約10分。問い合わせは讃岐宮県護国神社、電話0877-62-0048。

金刀比羅宮(琴平町)

 「こんぴらさん」の愛称で親しまれ、全国から厚い信仰が寄せられている。初詣には毎年、県内外から大勢の参拝客が訪れ、本宮まで続く785段の石段は大いににぎわう。31日は17:00から大はらえ式があり、同7時から除夜祭を執り行う。元日0:00から新年最初の祭事である歳旦祭を行い、一年の安寧と繁栄を祈願する。3日は9:00から元始祭がある。

 【メモ】JR、琴電の両琴平駅から表参道までは徒歩約15分。高松自動車道善通寺ICから車で約15分。問い合わせは金刀比羅宮、電話0877-75-2121。


新たな年の幸せを願う大勢の参拝客=2019年1月1日、琴平町の金刀比羅宮


大水上神社(三豊市高瀬町)

 神社名は、水の神様を祭ることに由来する。東の一宮(高松市・田村神社)に対し、西の二宮として親しまれ、毎年大勢の家族連れらでにぎわう。31日は22:00から恒例の餅つきがあり、参拝客につきたての餅を振る舞う。年明け前には和太鼓集団「響屋(おとや)」のカウントダウンライブが始まり、迫力あるパフォーマンスが新年ムードを盛り上げる。

 【メモ】高松自動車道さぬき豊中ICから県道218号を経由して車で約15分。問い合わせは大水上神社、電話0875-74-7817。

琴弾八幡宮(観音寺市八幡町)

 金運のパワースポットとして注目を集める銭形砂絵「寛永通宝」を展望できる琴弾山に鎮座する。703年創建とされ、琴や三味線などの上達を願う「技芸の神様」としても知られる。本殿は大鳥居から381段の石段を上ったところにあり、砂絵を一望できる展望台にも近い。市観光協会が日没から22:00まで“黄金色”に見えるようライトアップ(1月15日まで)し、初詣客を迎える。元日は0:00から新年祈願祭。6、7の両日は仕事始めに合わせて交通安全祈願祭が営まれる。

 【メモ】高松自動車道さぬき豊中、大野原の各ICから車で約15分。JR観音寺駅から徒歩約15分。問い合わせは琴弾八幡宮、電話0875-25-3828。


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