京都・西陣織の美しさや歴史に触れる「伝統の意匠美・西陣織展」が7日、坂出市寿町の市民美術館で始まった。緻密で色彩豊かな打ち掛けや袋帯などが展示され、技術の粋を尽くした伝統美が来場者のため息を誘っている。19日まで。


豪華な打ち掛けや袋帯などが来場者のため息を誘う西陣織展


 新元号で迎える初めての正月に合わせた慶事企画として、市民美術館が初開催。京都の一般社団法人西陣経済研究所の協力で、織元や問屋が所蔵する西陣織物8点をそろえた。


意匠の異なる文様を楽しめる袋帯(写真は共に坂出市寿町、市民美術館)


 このうち打ち掛けは、金銀糸で織り上げ、鶴や松などの伝統的な文様を組み合わせた豪華な逸品。会場を訪れた坂出市内の女性(79)は「刺しゅうが繊細で立体感にあふれていて素晴らしい。やっぱり着物は美しいと、改めて感じます」と話していた。

 袋帯の文様は、正倉院所蔵の染織品や能装束をモチーフにした3種類。屏風(びょうぶ)には西陣の古地図が、公家の邸宅で間仕切りとして用いられた几帳(きちょう)には金閣寺を望む京都西山の風景がそれぞれ描かれている。

 会場には、西陣織の工程を紹介するパネルや原画となる紋意匠図などの資料もあり、皇室とのゆかりで発展した西陣織の歴史や、色・柄に込められた意図などを学ぶことができる。入場無料。14日は休館。

(四国新聞・2020/01/08掲載)

伝統の意匠美・西陣織展


所在地 香川県坂出市寿町1-3-35(坂出市民美術館)
営業時間 9:00~17:00
休館日 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は祝日の翌日)


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