明治時代に創業した醤油(しょうゆ)製造、販売の「安藤醤油醸造場」(香川県三豊市詫間町)が、リニューアルオープンした。売り上げの低下で事業を縮小していたが、5代目の安藤尚記さん(31)が地元への恩返しの思いも込めて店舗を改装。130年の歴史を持つ醤油蔵が、令和の時代を迎えて新たな出発点に立った。


「地域の活性化に少しでも役立てばうれしい」と話す安藤さん=香川県三豊市詫間町

「地域の活性化に少しでも役立てばうれしい」と話す安藤さん=香川県三豊市詫間町


 安藤醤油醸造場は1889(明治22)年に開業した。順調に販売を伸ばしたが、他社の安価な商品との競争が激化。昭和の後期には給食調理の会社を立ち上げて事業の軸足を移し、醤油製造は常連客向けに小規模で行う程度になっていた。

 安藤さんは「これまで続いてきた醤油造りを諦めたくない」と一念発起し、物置のような状態だった店舗を社員と共に自力でリフォームした。壁にしっくいを塗り、床は暖色に塗装。「若い女性も入りやすいような内装を心掛けた」という。

 醤油は従来の一升瓶販売に加え、ペットボトル容器での小分け販売を開始。観光客にアピールできるよう、ラベルのデザインも改良した。


ラベルのデザインも改良した

ラベルのデザインも改良した


 味を知ってもらおうと、新商品も開発。味のバランスにこだわり、開発に丸1年をかけた「醤油プリン」は既に注目を浴び、連日完売している。給食調理のノウハウを生かし、昆布とシイタケのつくだ煮の製造も始めた。

 今後は総菜やオリジナルグッズなど、商品をさらに充実させていく予定。安藤さんは「多くの人に立ち寄っていただき、地元が少しでも盛り上がればうれしい」と話している。

 店舗の営業時間は10:00から18:00。水曜定休。1月中は、来店者に醤油1本(100ミリリットル)をプレゼントする。問い合わせは安藤醤油醸造場、電話0875-83-2013。

(四国新聞・2020/01/12掲載)

安藤醤油醸造場


所在地 香川県三豊市詫間町詫間1335-1
営業時間 10:00~18:00
定休日 水曜日
TEL 0875-83-2013


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