讃岐七富士の一つで、三豊市高瀬町にある「爺神(とかみ)山」を縁結びの聖地にしようと、地元の複数の住民団体が協力して活動を続けている。標高214メートルを2月14日のバレンタインデーになぞらえ、背もたれをハート形にくり抜いたベンチを山頂に設置。360度の眺望も味わえる名物スポットとしてPRしていく。


爺神山山頂に設置されたベンチ。背もたれにハート形をデザインしている=三豊市高瀬町


 爺神山は「高瀬富士」とも呼ばれ、丸亀市と坂出市の境にある飯野山(讃岐富士)などと共に讃岐七富士に数えられる。山中には大師堂やミニ88カ所があり、地元の比地小学校や高瀬高校の校歌にも登場するなど古くから住民に親しまれてきた。

 昭和半ばからの採石で山頂が削られ、標高は227メートルから214メートルに低下。現在は里山を後世に残そうと、住民団体が草刈りや登山道の整備を行っている。


爺神山山頂にベンチを設置したメンバー


 ベンチの設置は「大師道を歩く会」と、まちづくり推進隊高瀬の内部団体の「爺神山創生の会」が中心になって実施。昨年10月、地域の子どもたちも含む約20人でベンチを山頂に運んだ。一望できる山々の名前を紹介する案内板も、本年度中に山頂に取り付ける計画。

 中心メンバーの石井秀文さん(67)によると、バレンタインデーになぞらえるアイデアは、比地小の保護者らで組織する「爺神山美化部」から出たという。石井さんは「若い人の発想も取り入れながら、地元の里山をもっと盛り上げていきたい」と話している。

(四国新聞・2020/02/14掲載)



関連情報