坂出市商店街にある高松信用金庫の旧坂出支店(坂出市本町)を舞台に、現代アート展「しんきんグof ART」が開催されている。特大の金庫など金融機関ならではの設備を生かしたインスタレーションをはじめ、絵画や映像など好奇心をくすぐる12点が展示されている。会期は3月1日までの土日祝日。


金庫内に色とりどりのボタンを飾った戸矢崎満雄教授の作品=坂出市本町


 展示会は、市中心部を芸術で盛り上げる「坂出アートプロジェクト」(平野祐一代表)が企画。これまでは旧藤田外科医院(本町)と人工土地(京町)で行ってきたが、3年ぶりとなる今回は高松信用金庫の旧坂出支店が1991年に営業を終了して以降、ほぼ空き店舗状態になっていたのを活用した。


廃ボイラー室を使った津村ユキヲさんの作品


 出展者は、県出身の作家と、2013年と16年の瀬戸内国際芸術祭で沙弥島に作品展示などを行ってきた神戸芸術工科大学(神戸市)の教授ら13人。

 人が入れるほど大きな金庫を使った神戸芸術工科大の戸矢崎満雄教授の作品は、暗い室内に色とりどりのボタンを敷き詰め、その中央にガラス瓶を置いた。このガラス瓶の口に1メートルほど離れた場所から金色と銀色のボタンを投げ入れるよう説明文で来場者を誘い、「瓶の中に見事に入ったならば今年のあなたは金運に恵まれるでしょう」とユーモアあふれる“予言”をしている。

 県出身の作家、上野あづささんの「Diary」は、旧宿直室に少女の絵画や草、じょうろを飾った。同じく県出身の津村ユキヲさんの作品は、廃ボイラー室に植物などをまとわせた像を配置し、思わず息をのむような迫力が感じられる。坂出商業高校写真部の映像作品も紹介している。

 平野代表は「かつての金融機関がアートに変わる面白さ、建築の楽しさを感じてもらえれば」とし、現坂出支店の落合恵旨支店長は「にぎわいの中心地だった建物にぜひ足を運び、独特の雰囲気を味わってほしい」と話している。

 開館時間は12:00から17:30。入場無料。3月14~5月6日には作品を一部入れ替え、春会期を開催する予定。

(四国新聞・2020/02/20掲載)

現代アート展「しんきんグof ART」


所在地 香川県坂出市本町2-8-22(高松信用金庫旧坂出支店)
開館時間 12:00~17:30


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