四国霊場71番札所・弥谷寺(三豊市)から77番札所・道隆寺(多度津町)までの7カ寺は、「七カ所まいり」限定の納経・朱印帳を作製した。納経帳と朱印帳が一体になっており、ハスの花を模した表紙は温かみを感じさせる薄いピンクと緑のパステルカラーを採用。従来のイメージとは異なる柔らかなデザインに仕上げ、幅広い層に親しみを持ってもらえるように工夫した。


ハスを模した納経・朱印帳。各寺によって異なる色の朱印が受けられる


 七カ所まいりは、八十八カ所霊場を全て巡ることが困難な人らが短期間で巡礼できる遍路コースの一つとして、江戸時代から親しまれてきたという。74番札所・甲山寺広報担当の杉本理恵さん(42)が、7カ寺の住職それぞれが七カ所まいりに寄せている思いを知り、納経・朱印帳の作製を提案。約半年前から納経・朱印帳の制作に協力して着手し、形や色、紙の材質などについて話し合いを重ねた。

 形は散華(さんげ)がモチーフ。法要で散らした散華には功徳があり、幸運をもたらすと言われることから「参拝者や持ち主をお守りする」という意味も込めた。また、今回の納経・朱印帳限定で、寺によって異なる色の朱印を授ける「虹色朱印」も始めた。7カ寺を回ると七色の鮮やかな朱印を集めることができる。

 七カ所まいり限定の納経・朱印帳は、全7カ寺で購入できる。甲山寺の杉本さんは「各寺と協力して心を込めて作った。納経・朱印帳がお守りのような存在となり、ずっと大切にしてもらえればうれしい」と期待を寄せている。

(四国新聞・2020/03/07掲載)


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