坂出緩衝緑地管理事務所は、坂出市の番の州公園にあるバラの花壇をリニューアルした。瀬戸内国際芸術祭で沙弥島に展示された「そらあみ」のように漁網を70メートルにわたって張り巡らせ、そこにバラのつるが巻き付くようにするなど見せ方に工夫した上、著名なローズソムリエに品種選定を依頼した。5月には装い新たに人気企画のバラ祭りを開く予定。


漁網を使ってリニューアルしたバラの花壇と田辺所長=坂出市、番の州公園


 リニューアルは、バラのつるを巻き付けていた坂出緩衝緑地管理事務所南側の竹柵が老朽化したことをきっかけに実施。これまでのアンケートで分かった利用者の要望を踏まえ、4カ所に見せ場を設けた。作業は1月から始め、3月上旬に完了した。

 坂出緩衝緑地管理事務所南側では、沙弥島の漁師から譲り受けた漁網を劣化防止や風合いのために着色加工を施して竹柵の代わりにバラつるが巻き付く場所にした。植え付けるバラの選定は、TVチャンピオン「全国バラの花通選手権」を2度制覇した小山内健さん(京都府)に依頼し、女性に人気の「アンジェラ」やこれまではなかった「ピエール・ドゥ・ロンサール」など34品種を新たに植えた。

 アンケートで得られたデータから、黄色の品種も取り入れた。さらに「来園者の7、8割が女性」という結果を踏まえ、女性の職員に各品種のレイアウトを一任したという。

 さぬき浜街道に面する入り口付近には、漁網を束ねて作ったロープを瀬戸大橋のメインケーブルに見立て、これにつるを巻き付ける花壇(高さ2メートル、幅10メートル)を新たに設置。この近くではクスやニレなどの幹にネットを巻き付け、バラのつるが螺旋(らせん)状に伸びるように仕立てた。

 「公園の入り口が分かりにくい」との声に応えるとともに、街道の通行車にPRするためのアイデア。バラは竹柵の場所にあった約30品種を移植した。

 リニューアル後、初のバラ祭りは5月8~10日に開き、バラの苗販売や茶会などを計画。坂出緩衝緑地管理事務所の田辺剛久所長は「四国の公園では、ここでしか見られない仕立て方をしたので開花を楽しみにしてほしい」と話している。

(四国新聞・2020/03/17掲載)

番の州公園


所在地 香川県坂出市番の州公園5
TEL 0877-45-6820(坂出緩衝緑地管理事務所)


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