漆素材に独自の世界観 妹背さん(多度津)、坂出で個展
香川県多度津町の漆作家、妹背裕さん(71)の個展が香川県坂出市駒止町のかまどホールで開かれている。「塗料であり接着剤である」と考える漆を素材にしたパネル作品約30点などが飾られ、独自の造形世界を展開している。29日まで。
漆芸は通常、加飾の技術を駆使したわんや盆、重箱などをイメージするが、妹背さんは独学で知識と技術を身に付け、漆を使ったオリジナルの造形美術を追求。長く東京で個展を中心に活動を続け、10年ほど前から県内で現代美術家らと共同したグループ展などを開いている。
今回の個展「一期は夢いざ狂わん」では、ここ3年間で制作した作品を中心に展示。紙やベニア、布、アルミなど多様な材料を使った立体的な抽象画で、いずれも制作時の気持ちをダイレクトに形にしたという。
「黒の誘惑」と題した作品は、微細な粉と混ぜ合わせた生漆を垂らすなどして、黒い塊がうごめき出そうとするようなエネルギーが感じられる。「水神伝説」という作品は白や黒、青を塗り重ねて層状にした後で削る「彫漆」に加え、貝殻を使う螺鈿(らでん)の技術などを用いて、独特の模様や輝きを生み出している。開館時間は10:00~17:00。入場料300円(70歳以上と高校生以下は無料)。
(四国新聞・2020/03/29掲載)
妹背 裕展 「一期は夢いざ狂わん」
開催地 | かまどホール 香川県坂出市駒止町1-3-4 |
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会期 | 2020/02/29~2020/03/29 |
開館時間 | 10:00~17:00 |
入場料 | 300円 70歳以上と高校生以下は無料 |
定休日 | 月曜日 |
TEL | 0877-46-2178 |